熊の被害、過去最多。

孫と日常
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 2023年は、熊による被害のニュースが絶えませんでした。

 北海道や東北だけではなく、今までは見られなかった地域にも出没するようになったと聞きます。

 以前もクマの出没のニュースはありましたが、今年は毎日のようにニュースで流れており、人身被害も過去最多だと聞いています。

 これは爺にとってもいろんな意味で大問題なのです。

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爺の趣味にも影響が

 爺はフライフィッシングという渓流釣りも趣味で楽しんでいて、一人で釣りに行くこともありますが、以前はさほど気にすることなく釣りを楽しいんでいました。

 しかし近年は熊の出没が多発していることから、「ガサッ」と音がしただけでビビってしまい、気になりだすと釣りに集中出来なくなります。

 非常にビビり屋だということもありますが、一人だと「何かあったら・・・。」とつい考えてしまうのです。

 そうなると、道路脇の入渓しやすいポイントを釣ることになりますが、そのようなポイントは魚がスレていて思うように釣れないのです。

 友人と二人で行く場合は、岩手の内陸や秋田方面に遠征して釣りに行くこともありますが、今年はスケジュールが合わなかったりして行けませんでした。

 仮に今年二人で行けたとしても、結局は熊が怖くて開けた場所でしか釣りが出来なかったと思いますが。

 あくまでも釣りは趣味であり、熊が生息している場所へお邪魔して楽しむ遊びなので、絶対に無理はしないようにしているのですが・・・。

 デカいイワナが泳いでいる、あのポイントに行ってみたいのですが・・・。 

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熊の習性

 熊は本来臆病で警戒心が強く、「人の気配を感じると熊のほうから離れていく」と聞いたことがあります。

 また、熊が人に危害を加えるのは、「子連れの熊」や「山菜取りの人と山でバッタリと遭遇」した場合である、とも聞いていました。

 ですので、「熊鈴やラジオを鳴らして人の存在を熊に示せば、そうそう襲われることは無い」と聞いていました。

 しかし現実は、人工的な音であふれている街中にも悠然と姿を現したり、家の中に入り込んで食べ物をあさったりと、何処に現れてもおかしくない状況です。

 このように、「熊本来の習性とは掛け離れた行動をしている熊が増えている」、と言うのです。

 原因は山にブナの実などの熊が食料としている物が不作で、餌を求めて人里に降りてきていると聞きますが、果たしてそれだけなんでしょうか? 

アーバンベア。

 アーバンベアという聞きなれない言葉をニュースなどで耳にするようになりました。

 市街地近くの森林で生まれ育ち、人の近くで生活した都市型の熊をアーバンベアと言うらしく、常に人の存在を感じて育った熊は人を恐れなくなると聞きます。

 その要因は、人口の減少や高齢化の影響により耕作放棄地が増え、草刈などの手入れがされなくなったため、雑草などの隠れる場所が増えたためだと言います。

 その結果、人里に近いところに熊が下りてきて生息し始めて人を襲ったりする、というものです。

 都市型の熊ということだが、もしかすれば爺より都会に詳しいかもしれない、何て冗談を言っている場合じゃない。

 実際に渓流釣りに行っても、川の近くに田んぼや畑などがあって開けていた場所が、年々耕作放棄地が増えていき、川の周辺が雑草だらけになってきているのを散々見てきた。

 背丈より高い熊笹などをかき分けて川に行くのは、さすがにいい気分はしませんし、実際にそのような場所で熊に襲われたという事例も耳に入ってきています。

 このまま耕作放棄地が増えて行けば、アーバンベアは今後ますます増えていくらしく、人の生活圏と熊の生活圏がさらに近くなっていくと言われています。

 そうなると、家のそばで遊んでいる子供たちが被害に遭うのが怖い。

 子供たちにとって外で思いっきり遊ぶということは、ある意味勉強より大事な事だと思います。

 それが熊の出没により、子供たちは外で遊んだり、大声で笑ったりして楽しむことが出来なくなる危険性があるということになります。

 ただでさえ少子化で子供たちの笑い声を聞く機会も減り、寂しい限りですが・・・。

マタギの減少。 

 マタギとは、東北地方や北海道、関東や甲信越地方の山間部や山岳地帯で、集団で狩りをする方々の事です。

 古くから伝わる技法で狩猟を行う方々であり、「熊は山の神様から授かったもので、必要以上の獲物は獲らない。」などの古くからの教えを守って猟をしている方々です。

 以前はマタギの方々がいたために、怖がって人里に熊が下りてくる事もそうそう無かったと言われています。

 今はその方々も高齢化し、さらに若い後継者もいないため、熊が人を怖がらなくなった、と言う方もいます。

 マタギやハンターには誰でも直ぐになれるものではなく、直近の対策になるものではありません。

 しかし、国や自治体がマタギやハンターの育成に力を入れるなど、将来を見据えた対策をしないと、今後はさらに被害が増えるのではないかと思います。

熊対策はどうすればいいの?

 それでは私たちはどうすればいいのだろう?

熊鈴や笛。

 被害に遭われた方々の多くは、山菜取やキノコ狩りで山に入って熊に遭遇して襲われたケースが最も多いと言われています。

 やはり熊の生活圏に入り込んで行うことなので、基本的には人間の存在を熊に知らせるしかないらしい。

 熊鈴を腰にぶら下げて常に鈴の音を出しながら、またラジオを掛けたり、とにかく音を出しながら熊に人間の存在を知らせるのが一番いいらしい。

 爺の経験であるが、熊鈴の音は川の音にかき消されるような感じがするので、川に入った後はたまに笛を吹きながら釣りをしています。

 ちなみに爺が釣りやトレッキングの際に使用している熊鈴と笛を紹介します。

 写真はmont-bell製の熊鈴で、カラビナの部分を引っ張ると音を消すことが出来て、トレッキングの際のトイレに行く際などには便利で、音色も美しくて非常に気に入っています。

 特に消音機能が付いた熊鈴は、人が多い場所などでは、すぐに音を消せるので非常に重宝しています。

 これもmont-bell製の熊鈴で、熊鈴と言えばこんな音、みたいな「カラン、カラン」と言った音がします。

 釣りに行くときはこの音色が違う二つをベストの両脇に付け、トレッキングの際はバックパックの両側にぶら下げて使用しています。

 写真の笛は、100円ショップで買ったものです。

 リールが付いていて、鳴らすときには引っ張って笛を吹き、使い終われば勝手に巻き取ってくれるので非常に便利で、釣りの際にベストの内側に付けて行っています。

熊撃退スプレー。

 ちなみに爺は、熊撃退スプレーなるものも持って歩いています。

 トレッキングの際には直ぐに取り出せるよう、バックパックのドリンクホルダーに入れて持ち歩き、釣りの際にはウェーディングベルトにホルスターを通して腰にぶら下げて持ち歩いています。

 「熊が急に現れたりしたら、そんなの取り出している時間が無くて意味がない。」と言う方がいるのも確かですし、一理あると思います。

 実際に遭遇した時は冷静に取り出せるか不安ですが、少し離れた状態で熊を見つけた時などは何とかなるのではないかと思います。

 何より、持っているという気持ちの安心感があるのでいつも持ち歩いています。

 これにも大きいやつや小さいやつなど種類がありますが、気を付けなければならないのは使用期限が定められているので、いざという時に思うように噴射さなかったとならないよう気を付けて下さい。 

むやみに山に入らない。

 先人たちは、「この時期はこの山菜を食べる」とか「今頃はこのキノコが食べごろだ」とか、幼い頃からそうして育ってきていますし、保存食として生活してきた歴史もあります。

 それが今では、山と共に育ってきた方々が熊に襲われるような時代です。

 近年は、知識の無い方々が山菜ブームなどで山に入っているのをよく見掛けるますが、自分の命を危険にさらしてまで山菜を取って食べようとは思わなくなりました。

 山の所有者に無断で勝手に山に入って山菜を取り、挙句の果てには昼に食べ残した残飯やゴミなどを捨てていく方がいて、それに熊が寄ってきていると聞きます。

 その人たちの大半は、年齢を重ねた高齢者だと聞きますし、同じような年齢の爺としては、何とも恥ずかしい限りです。

 こうならないよう注意したいものです。

アーバンベア対策

アーバンベアの対策

●家の周囲や農地周辺の藪を刈り払い、見通しをよくする。

●屋外に残飯などの熊が食べるものを置かない。

 以上の対策があります。

 しかし、具体的にこれが有効という対策は今のところ無いらしく、地道にコツコツやっていくしかないみたいです。

 高齢化により刈り払い作業そのものが大変な方々も多く、今後さらに高齢化が進むと考えると、この先どうなるのか・・・。

 また、近年の空き家問題もあり、そこに熊が身を潜めている場合もあるらしく、一筋縄ではいかないということです。

 「ある地域の小学校では生徒全員に熊鈴を配布」しているというニュースを見ましたが、それだけでは万全とは言えません。

 今後は、昔みたいに地域全体で子供たちを見守っていくしかないのではないでしょうか。 

おわりに

 本当にたまにではあるが、爺はトレッキングも楽しんでいますが、岩手県宮古市の「浄土ヶ浜のみちのく潮風トレイルの遊歩道で観光客が襲われた」とニュースで観ました。

 浄土ヶ浜周辺は大変奇麗な景勝地として有名であり、震災以降は観光客や外国人もトレッキングを楽しむためにやって来ています。

 そんな場所で熊の被害があったことは非常にショックでした。

 数年前には「奥入瀬渓流沿いに熊が頻繁に現れ、遊歩道が一時閉鎖」されたこともあります。

 奥入瀬渓流沿いの遊歩道は車で通っただけでは絶対に見れない素晴らしい景色があり、爺は春の新緑の季節や秋の紅葉シーズンには必ずと言っていいほど訪れている大好きな場所です。

 しかし今は、「観光地だから安全」という事は無いのでしょう。

 来年はさらに熊の出没が増えるという方もいれば、来年は今年より木の実などが多くなるため今年よりは少ないのではないか、などと言う方もいる。

 どちらが正しいかは来年になってみないと分かりませんが、アーバンベアの存在がある限り、常に危険があると頭に入れて行動」しなければならないのでしょう。

 「自分の身は自分で守る、子供たちは周囲の大人が見守る。」結局今の時点ではそれしかないのでしょう。

 という事で、「皆様、お互い十分気を付けましょう。」

 それではまた。

 

 

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