今回のスロージギングのすゝめは、釣れる人が実践している事についてのご紹介です。
前回の「釣れない人の原因とその対策」の真逆のテーマですが、釣れる人を観察していると特別な事をしている訳ではないのですが、何故かその人にだけ釣れる、そんな事を目にする事があります。
それは何故なのか？
そんな方を見ていて分かった事が様々ありますが、その中でも一番大事な事は「よく考えて釣りをしている。」という事です。
今回はほんの一部ですが、釣れる理由などについて爺なりに分かった事を詳しくご紹介しますので、この記事を参考に自分の釣りに活かし、大物を手にして下さい。
それでは始めます。
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漠然と釣りをしていない
釣りの上手い人を見ていたり話しをしたりして一番感じたのは、「漠然と釣ってないで、考えて釣りをしている。」という事です。
メタルジグの形やカラーの選択、ジャークの仕方など、どれについてもちゃんと自分の考えがあって実践しているという事です。
何気なくというのではなく、「こういう状況だからこれが良いのでは。」という考えのもと釣りを組立てているという事です。
自分の考えた釣り方を実践する事で、このような状況ではこの釣り方が良かったとか、この釣り方では全然ダメだったとか、様々なデータが溜まっていくという事です。
その溜まったデータを組み合わせながら釣りをする事で、さらにデータが溜まっていくという事になりますので、自分なりの考えを持って釣りをする事がいかに大事なのか分かると思います。
何故釣れたのかを考える
全く釣れない時に「何で釣れないんだ？」と考える事ってありますよね？
かなり前の話になりますが、それについて釣りの上手な方に聞いたことがあり、その時言われたのが、
「釣れない原因を考えても分かるはずがない。釣れない原因として考えられることはたくさんあり過ぎて答えは見つからない。」というもので、
大事なのは、「何故この魚は釣れたのか」を一尾一尾について考える事が大事だ、ということでした。
魚が釣れた際のデータ（ジグの形状やカラー、ジャークの種類やスピード等々）を蓄積していく事によって、様々なパターンが見えてきて、それによってその日の誘い方などが自然と見えてきます。
何故釣れないのか考えるよりも、釣れた時の要因を考えるようにしましょう。
レンジが正確
レンジが正確というのは、魚のいる水深へ正確にジグを送り込んでいるという事で、船長が指示した棚や、魚探に反応が出た水深へ素早く正確にジグを送り込んでいるため、より釣れる確率がアップするという事です。
「何だ、そんな事か。」と思う方もいるかもしれませんが、意外にこれが出来ていなかったり、ジグを送り込むのが遅かったりして釣れない事が多かったりします。
上手な方は、カウンターが有る無しに係わらず素早くジグを送り込むことが出来ますが、それはマーキングされたラインの色分けを把握しているからで、それによって素早く対応しているという話を聞いたことがあります。
爺も10ｍ毎に色分けされて、さらに1ｍ毎にマーキングされているラインを使っていますが、普段は色分けによる水深を把握したことがありません。
記憶力が無いためマーキング毎の水深を覚えられないので、魚の反応が出たら一旦ラインを巻き取って、それからジグを落ち仕込みながら水深を計って送り込んでいるので、どうしても対応が遅く成ってしまします。
その数秒～数十秒の差が釣果の差に繋がったという事になりますので、特に青物を狙う際にはその事を意識して釣りをしてみて下さい。
ジグの動かし方のバリエーションが豊富
爺は釣れない時はついついメタルジグのせいにして、直ぐにジグを交換してしまいますが、良く釣る方は直ぐにジグを交換するのではなく、セットしているジグの色んなアクションを試して魚を誘っています。
先ずは潮流や水色を確認し、自分でチョイスしたメタルジグを、いろんなバリエーションのジャークで試し、いろんなアクションを演出させ、それでだめならジグを交換するという方法です。
メタルジグに頼るのではなく、メタルジグの持っているポテンシャルをフルに引き出して誘う事により、そのデータも蓄積させているのだと思います。
確かにジグだけに頼っていると、ジグがいくらあっても足りなくなりますので、先ずは焦らずにいろんな誘い方を試してみる必要があるようです。
「間」の作り方が上手
スロージギングは、「ジグをどう動かすか」が大事になりますが、「ジグをどう止めるか（どう間を作るか）」という事も非常に大事で、釣果を大きく左右します。
魚は、動いているものを追って、それが止まった瞬間に捕食する事が多く、この捕食のスイッチが入るタイミングを「間」と言い、よく釣る方はこの「間」を意図的に作る事が上手です。
スロージギングでは、ベイト（餌となる小魚）のゆっくりとした動きや、弱った死にかけの動きを表現し、「間」を作り出してナチュラル感を演出します。
また、スロージギングは、ジグを機械的に動かすのではなく、潮の流れやベイトの反応、魚の活性を見ながら「間」を調整する必要があります。
例えば、
活性が高いとき → 「間」を短めにテンポよく。
活性が低いとき → 「間」を長く、ジグを見せる時間を増やす。
などです。
つまり、「間」は状況に応じて釣り人が調整すべき“間合いでもあり、この「間」を作るのが上手な方がより魚を釣る事が出来るという事になります。
しかし、この「間」を作り出すためには、ブログでも動画でも伝える事は難しく、経験を積むしかないというのが答えだと思います。
いろいろな事を試しながら、その「間」を感じるしかないのだと思いますので、漠然とではなくよく考えながら釣りを経験していくしかないという事です。
「間」について参考までに、
●止の「間」・・・ジグを喰わせるタイミングを与える事でバイトを誘発
●自然な動き・・・弱ったベイト等を演出するための緩急
●状況対応・・・活性や潮の状況に応じて「間」を調整し、最適なタイミングを作る
●駆け引きの「間」・・・魚との呼吸を合わせる感覚
引き出しが多い
釣りにおける「引き出しが多い」とは、釣り人としての「対応力・経験値・バリエーションの豊かさ」を意味し、釣れない状況でも別のカードを切れる釣り人、状況に応じて臨機応変に対処できる人ということです。
それでは「引き出し」とは具体的にどういうものなのかご紹介します。
多様な釣りに精通している
●スロージギングの他にも、タイラバや餌釣りなど、他の釣りにも精通しているため、様々な状況に対応出来る。
●釣れない時でも、他の釣り方のアプローチを参考に、様々な状況に切り替えられる。
アクションのバリエーションが豊富
●一つのジグでも、様々なアクションを演出できる。
●その日の魚の反応に合わせてアクションを変える事が出来る。
状況判断と応用力がある
●状況の変化に臨機応変に対処できる。
潮が止まったので軽いジグに変更するなど。
このように経験に基づく瞬時の判断が可能。
魚の活性に応じた“見せ方”を変えられる
●魚の活性に合わせて釣り方を変えられる
活性が高い時はリアクションで喰わせ、低い時はゆっくりジグを見せて誘う。
水の色によってカラーを替えたり、フックサイズを変えたり、細かな調整が可能。
引き出しの多さはどうやって増やせるのか？
●実釣経験を積む：さまざまな状況を体験することが一番の近道。
●他人の釣りを見る：上手な人の動きや選択肢を観察して盗む。
●道具を使いこなす：タックルの特性を理解し、最適な使い方を覚える。
●なぜ釣れたのか：考察するクセをつける。
●失敗を恐れず試す：新しい釣り方やジグ、カラーなども積極的に試す。
以上が「引き出し」の増やし方ですが、とにかく経験を積んで行くしかないという事です。
データの蓄積と分析
スロージギングにおける「データの蓄積と分析」とは、単に「どこで何匹釣れたか」を記録するだけではなく、その釣果に至った条件や要因を記録し、後の釣行に活かすことを意味します。
これは、感覚だけに頼らず、再現性のある釣りを構築するための武器になり、特にスロージギングのような状況変化に敏感な釣りでは、非常に有効な手法です。
何を蓄積・記録するのか？
それでは、具体的に何を蓄積していくのかご紹介して行きます。
環境条件
●日時、潮回り（中潮・大潮など）
●潮汐（上げ潮、下げ潮）
●気象海象（風向き・風速・波高など）
●水温（可能であれば）・水深・水色など
タックル情報
●ロッド・リール・ラインの太さなど
●ジグの種類（重量・形状・カラーなど）
アクションなど
●ジャークの種類（ワンピッチ、ハーフピッチ、ロングジャークなど）
●ジャークのスピード
●フォール（フォールのスピード、テンション/フリーフォールなど）
釣果情報
●ヒットした時間・時間帯など
●魚種・サイズなど
●バイトの棚（水）
●バイトのパターン（フォール中、止めた瞬間など）
データの分析とは？
データの分析とは、蓄積したデータをもとにヒットパターンやその傾向を読み解くことが分析になります。
分析の内容の例としては
●潮回りとヒットのタイミングの関係
潮回りはどうか、上げ〇分、下げ〇分かなど
●ジグの形状と潮流の関係
潮流の速さと、ジグの形状の関係
●ジグのカラーと水色の関係
バイトのあったカラーは
●ジグのアクション
バイトがあった際に使っていたジグのアクション
●バイトのあった水深
根魚は底から〇ｍか、青物は水深〇〇ｍか
なぜデータの蓄積・分析が重要？
なぜデータの蓄積と分析が重要なのか
●「偶然釣れた」ではなく「狙って釣った」に変える
●データに基づいた自分の引き出しを増やせる
●釣れない時の次の一手が見える
以上のように、自分の戦術が増える事により釣果も増えるという事になります。
おわりに
今回は、よく釣れる人や釣りが上手な人が実践していることについてのご紹介でしたが、いかがでしたか？
これはスロージギングだけに限らず様々な釣りに言える事ですが、釣りが上手な人ってどっしりと構えているというか何と言うか、一切焦りが見られないんですよ。
爺みたいな釣り人は、釣れないと周りの釣り人がどうしているのか気になってしまい、注意散漫になって結果的に負のスパイラルに陥ってよけい釣れなくなるんです。
周りの釣り人がどんな釣り方をしているのか確認するのも大事ですが、先ずは自分の釣り方を見直してみるべきなんでしょうが、それが出来ないから困っているのです。
次回の釣行からは、データを取って蓄積して行こうと改めて思いますが、去年も一昨年もそう思っていたのに結果的に何も出来てない何時もの爺です。
皆さんはそうならないよう頑張って下さい。
それではまた！
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