
「また逝った…」高価なメタルジグが海底に消える瞬間、釣り人の心と共に財布も凹みます。
これって、スロージギングあるある話しですが、原因を知り、ちょっとした工夫でジグのロストを減らすことも可能です。
本記事では、根掛かりの理由や財布に優しい回避テク、失ったジグの回収テクやメンタルの保ち方まで、笑いを交えつつ徹底解説していきます。
爺と同じ、海と財布の深淵に挑むあなたに贈る、実践ガイドです。
「また逝った…」海底に眠る高級ジグたち
スロージギングを始めて間もない頃によくある光景です。
それは、高価なメタルジグがあっという間に海底の岩や海藻に引き込まれ、二度と手元に戻らない瞬間です。
「また逝ってしまった・・・。」と呟く自分の声とともに、海の底には数多くのジグが眠っていることでしょう。
特に根魚狙いや岩礁帯での釣行では、ジグが海底に引っかかる確率が格段に上がりますし、初心者は特に、この損失の痛みを身をもって経験することが多いはずです。

なぜ根掛かりは起こる?主な原因を解説
底を必要以上に攻めすぎる
特に根魚を狙う場合は、どうしても海底ギリギリでジグを動かすことが多く、どうしても岩や根の間にジグが引っかかりやすくなり、ロストのリスクが高まります。
ジグの重量が合っていない
必要以上にメタルジグが重すぎたり、また軽すぎたりした場合、根掛かりする確率が高くなります。
特に、メタルジグが軽すぎる場合は、潮流などによってジグが流されてしまい、着底するのに時間が掛かり、ラインが斜めになってしまい、根の凹凸に引っ掛かりやすくなりますので、注意が必要です。

着底が分からない
初心者の方は、ジグの着底が分からずに、ラインをそのまま出し続けている事があり、そうなるとラインが斜めになってしまい、根掛かりの確率が高くなります。
特に、二枚潮の場合などはベテランでも分かりにくい時があるため、細心の注意が必要です。
ラインの角度に注意
風や潮流によって船が流されたり、またジグが流されたりして、ラインが斜めになった場合は、根掛かりのリスクが高くなりますので注意が必要です。
ジグがあまりにも流されたりしてラインが斜めになった場合は、面倒でも一度ジグを回収し、投入し直す必要があります。
タックルバランスが悪い
そのポイントで釣れる最大のターゲットに対して、PEラインが太過ぎた場合など、潮流の影響を受けやすくなり、ラインが斜めになり根掛かりのリスクが高くなります。
PEラインが太くなれば、ラインブレイクの心配は少なくなりますが、結果的に根掛かりによってジグを失う確率は高くなりますので、太さのバランスを取る必要があります。
財布を守る!根掛かり回避の基本テクニック
底を素早く切る
着底を感じたら、間髪入れずにリールのハンドルを巻くとともにロッドを煽り、ジグを海底から引き離して根掛かりを防ぎますが、この行為を「底を切る」と言います。
この底を切る動作を素早く行う事で、根掛かりのリスクを大幅に減らす事が出来ます。
ちなみに爺の場合は、着底を感じた瞬間にサミングしている指に力を入れてスプールを抑え、それと同時にロッドを煽って素早く底を切り、ジグを浮かせてからハンドルを回してクラッチを入れます。
こうする事によってより早く底を切ることが出来ます。
「スプールを強く押さえると、リールが壊れるのでは?」と言われる事がありますが、軽くスプールを抑えるだけでジグを簡単に持ち上げる事が出来ますので、心配いりません。
また、スプールを抑えるだけで壊れるようなリールは、使っていませんし、使わないほうが無難です。

着底に全神経を集中させる
根掛かりを防ぐために最も重要なのが、着底を感知する事です。
メタルジグが海底に着いた瞬間に即座に底を切るアクションを行う事で、根掛かりのリスクは劇的に減少します。
着底を素早く感知するためには、リールのスプールに軽く指を当ててサミングしながらラインの放出をコントロールし、着底と同時にラインの放出が止まる瞬間を指先で感じ取ります。
慣れてくると隣の方と話をしながらでも条件反射のように着底を感知できるようになりますので、先ずは徹底してサミングに慣れる事をおすすめします。
また、このサミングはバックラッシュ防止にも繋がりますので、常に指先で感じ取ることが大事になります。

ジグ重量や形状の見直し
水深や潮流の速さに対して、ジグの重量が合っていない場合、根掛かりのリスクは高くなります。
水深が深い場所で軽すぎるジグを使った場合、着底までに時間が掛かり過ぎて、緩い潮流にもかかわらずジグが流されてしまい、ラインが斜めになり根掛かりのリスクが高くなります。
これは、潮流が速い時に軽すぎるジグを使った場合も同じで、ジグが流されてしまって、根掛かりの危険が高まります。
また、水深が深い場所や潮流が速い時に、フォールが遅い木の葉型のショートジグを使った場合も、ジグが流されやすくなりますので注意が必要です。
その日のポイントや潮流を確認し、ジグの重量や形状を替えながら、釣りをする事が重要になります。

潮の流れと地形を読む
根掛かりが多いのは、岩礁帯、沈み根、漁礁周辺などになりますが、特に根掛かりが多いポイントなどは、船長が情報を教えてくれますので、聞き逃さないようにして下さい。
魚探を見ると10m近い凸凹が確認できる場所もあり、その場合はあまり底付近を狙いすぎると直ぐに根掛かりしてしまいますので注意が必要です。
複雑な地形のポイントで、さらに潮流が速い時などは、船長から常に情報を流してもらったり、船長と相談してポイントを変えるのもおすすめです。

タックルの見直し
PEラインが必要以上に太過ぎる場合、潮流によってジグが流されやすくなりますので、そのポイントで釣れる最大の魚を獲り込める範囲内で、ラインを細くするのもおすすめです。
また、カウンター付きのリールを使う事で、着底手前でジグのフォールをストップさせ、根掛かりを回避することが出来ます。
船長と常に水深や根の凸凹等の情報を共有する事で、カウンターの数値を確認しながらジグを落とし込み、根の直前でジグをストップさせて根掛かりを回避する事も可能です。
安くても釣れる!コスパ最強ジグの活用法
リーズナブルなジグで練習
高価なジグを失うとかなりの痛手となりますが、コスパの良いジグを使うことで心にも財布にも優しくなります。
特に初心者の方は、根魚の攻め方やアクションを確認するのに高価なジグは必要ないため、リーズナブルなジグを使って技術を習得るのも一つの方法です。
リーズナブルなジグも、カラーや形状のバリエーションは豊富ですので、それらを使って魚の反応を確認するのもおすすめです。
高価なジグと安価なジグでは、価格が1,000円以上違いますので、仮に根掛かりしても、財布の被害は半分ほどで済みますので、精神的なダメージも少なくなります。
コスパに優れたおすすめのジグ
メジャークラフト:ジグパラバーチカル
先ずは、メジャークラフトの「ジグパラバーチカルロングスロー」と「ジグパラバーチカルショート」をご紹介します。
どちらのジグもカラーが豊富ですし、150gであれば、どちらのジグも1,000円以内で購入出来ますので、財布に優しく、且つ実績もあるジグです。
個人的にはジグパラバーチカルショートがお気に入りで、イワシを模した奇麗なカラーがたくさんあり、秋のヒラメ狙いには欠かせないジグとなっています。
また、ショートとなっていますが、実際には他のメーカーのセミロングジグと同じような長さがありますので、万能な使い方が出来るジグとなっています。
Daiwa:鏡牙ジグ セミロング
このジグもコスパに優れたジグで、タックルボックスには常に入っているジグです。
本来は、太刀魚用に開発されたジグですが、根魚から青物まで狙える万能型のセミロングジグです。
価格は、160gで1,000円以内で購入することが出来ますし、カラーも豊富ですので、自分の好きなカラーを選ぶことが出来ます。
また、「スロージギングのすゝめ。ジグを塗装してオリジナルカラーを作る。」でも紹介したように、その安さを利用し、自分オリジナルのカラーに塗装して使うのもおすすめです。
関連記事
ジャッカル:アンチョビメタル TYPE-Ⅱ
次は、ジャッカルのアンチョビメタル TYPE-Ⅱをご紹介します。
このメタルジグも太刀魚用として開発されたジグですが、根魚や底物、青物までオールラウンドに釣れるメタルジグです。
近海で使用する事が多い130gや160gで実売価格は1,000円以下と、非常に安価なのも魅力です。
また、ジャッカルのグローカラーは他のメーカーのものより良く光るというか、非常にはっきりと光るのが特徴ですので、チャンスがあったら比べてみて下さい。
諦めるな!根掛かりしたジグの回収テクニック
「また引っ掛かったよ・・・。」と思って諦めず、粘ってみる事って非常に大事で、個人的には根掛かったジグの半分以上は回収出来ていると思います。
ロッドを強く煽らない
根掛かりした際に、何度も強くロッドを煽っている方がいますが、強く煽るとフックがさらに深く刺さるだけでなく、ロッドを破損する原因にもなりますので、絶対にやめて下さい。
根掛かりかな?と感じたら、ロッドを軽く煽って様子を確認しますが、外れない場合は無理せずにロッドを煽る事はやめましょう。
PEラインを掴んで煽る
ロッドを軽く煽ってもジグが外れなかった場合は、直接PEラインを掴んで煽ります。
その際は、PEラインで手指が切れて怪我をしないようにグローブを着用して掴むか、タオルなどを使って掴むようにして下さい。
手で煽ったり、ラインを引っ張って急に緩めたりなど、いろんな事を試してみていると、急に外れたりする事がありますので、諦めずに粘ってみて下さい。
それでも外れない場合は、ラインを切るつもりで思いっきり引っ張ると、海藻などに引っ掛かっていた場合は海藻ごと外れて上がってくる場合があります。
周りに迷惑が掛からない範囲内で、いろいろ粘ってみる事が必要です。

角度を変えて引っ張る
船は常に微妙に移動しており、時間が経過してラインの角度が変わると自然に外れることがありますし、可能であれば、船長に頼んで船を少し動かしてもらうのも有効です。
ただし、他の釣り人とラインが交差するような場合は、船長に根掛かりを報告したり、他の釣り人に声を掛けたりして、おまつりを回避する必要があります。
最終的にはラインを切る
どうしても根掛かりを外せない場合は、諦めてラインを切るしかありません。
ラインを切る場合は、ロッドやリールに負荷を掛けないよう、PEラインを直接掴んで切るのが基本ですが、、その際は、必ずグローブやタオルで手を保護してゆっくりと引っ張って切ります。
また、スプールロック機構が付いたリールの場合は、ロッドに負担が掛からないようラインとリールが真っ直ぐになるようにして引っ張って切ります。
話は逸れますが、ラインを引っ張った時に「PEラインってこんなに伸びるの?」と思うはずです。
PEラインは伸びが少ないのが特徴ですが、数値上の伸び率は3%~5%ありますので、水深100mだと3m~5mも伸びる事になり、意図的に切るのが大変なことが分かるはずです。
ともかく、リールのスプールを抑えて切ろうとしたり、ドラグをがっちり締めて切ろうとしたりすると、リールのギアなどが壊れたりするので絶対にやめて下さい。
ジグを失っても楽しめる?メンタルの保ち方
ジグを失っても楽しめるメンタル? そんなのありません!
なんて言うと、「スロージギングやりたいなと思っていたけど、やっぱりやめた!」という方が増えてしまいそうですが・・・。
高価なジグを失えば気分が凹むのは当然ですが、安価なジグでも凹むのは同じです。
ただ、経験を積んでいくごとに、徐々にその痛みに慣れていきますし、その失敗が成長に繋がって行き、結果として根掛かりが減っていきます。
全く根掛かり無しで成長する事は絶対にありませんので、いかに根掛かりを減らして、釣果を増やすか考えながら釣りをしていく事が大事になります。
仮に根掛かりしてジグを失ったら、心で泣きながらも笑い話にするくらいの気持ちが大事だと思います。
何年やっていても、なかなかそうは行きませんが。
まとめ
根掛かりによって高価なメタルジグを失うことは、スロージギング初心者にとって避けられない試練です。
しかし、原因を理解して適切な対策を取ることで、ジグのロストを最小限に抑え、釣りを楽しみながら財布の被害も最小限にする事ができます。
【ジグのロストを減らすには】
●根掛かりの原因を知る
●回避テクニックを身に付ける
●コスパ重視のジグで練習する
●回収テクニックを駆使する
●メンタルを保ち楽しむ
これらを意識することで、「魚より高いメタルジグ。根掛かりで、海より深い財布のダメージ?」という悲劇も、笑い話に変えられるはずです。
それではまた!




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