
「インスタ映え」って何だ? おっさんのキャンプ飯はなぜ「彩り」が少ないんだ?
鮮やかな野菜、手の込んだ盛り付け、そして光の加減まで計算された、あの「キラキラキャンプ飯」たち。
一方、我々おっさんのキャンプ飯はどうでしょう?
クッカーやメスティンから取り出されるのは、肉、醤油、油、味噌、そして・・・、気が付けば茶色。
そうです、おっさんのキャンプ飯は、総じて「インスタ映えとは無縁」という宿命を背負っているのです。
しかしそれでもそこには、「映えより実用」、「見た目より味」という、おっさんならではの美学?があるのです。
この記事では、そんなおっさんキャンプ飯の実態と理由、そしてほんの少し“映える”工夫までを、リアル目線で掘り下げていきます。
さあ、キラキラ飯に媚びることのない、我々おっさんキャンパー飯の美学?を一緒に見つめ直しましょう!
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気が付けば茶色?おっさんキャンプ飯の実態
おっさんキャンパーの食卓を覗くと、まず目に入るのは圧倒的な「茶色率」。
焼き肉、カレー、ウインナー・・・、どれも茶色っぽいものばかりですが、どれも美味しくてボリューム満点な、おっさんキャンパーには最高のメニューばかりです。
しかし、おっさんのキャンプ飯が茶色くなるのは、決してセンスの問題ではありません。
それは、「効率」「満足感」「調理のしやすさ」という、キャンプにおいて最も重要な三要素を追求した結果、必然的に選ばれた食材が「茶色」だっただけです。
「見た目より、腹を満たすことを最優先」したおっさんキャンプ飯は、「無理をしない現実的な食の形」として、よく考えられたものでもあるのです。
SNSで流れてくる、「アヒージョやパスタ、そしてサラダ」など、そんな繊細で手の込んだキャンプ飯は、真っ先にリストから消去されているのです。

茶色い三種の神器
おっさんのキャンプ飯がなぜ茶色いのか? それは食材と調理法が「茶色い」からだ。
【神器その1:肉】
キャンプの主役は、いつの時代も肉でした。
肉を焚き火やグリルで焼けば、熱と炎によって香ばしい「茶色」の焼き色がつきます。
そこに焼肉のタレや、バーベキューソースを塗れば、さらに濃い茶色になり、これがまた美味しいの何の。
野菜も食べるには食べますが、ピーマンやパプリカといった鮮やかな色の野菜は「肉の邪魔」「切るのが面倒」という理由で、スタメンから外される運命にあるのです。
【神器その2:調味料】
おじさんキャンプの調味料ボックスを開けると、そこに並んでいるのは、「オリーブオイル」「ワインビネガー」「バルサミコ酢」といった横文字の調味料ではなく、「醤油」「味噌」「ソース」が現れます。
これらの調味料は、日本の食文化の根幹であり、「失敗しない味」を保証してくれますし、これらの共通点は、全てが「濃い茶色」であることです。
茶色は「味の保証のカラー」なのです。
手間をかけず、確実に美味いものを食べるには、この茶色い調味料から逃れることはできないのです。
【神器その3:乾物と缶詰】
「サバ缶や焼き鳥缶」、これらの缶詰はそのまま食べてもよし、メスティンに入れて炊き込みご飯にしてもよしの「最強のソロキャンパー飯」です。
そして、その中身の色は、ほぼ全てがタレや煮汁で茶色に染まっています。
乾物も同様で、乾燥ワカメや干し椎茸など、水で戻しても地味な茶色や土色に。
しかし、これらは「保存が効く」「ダシが出る」という、野営において最重要視されるメリットを持っているのです。
おじさんキャンパーは、「映え」ではなく「実用」を極めた結果、茶色い食材と調理法に辿り着いた、というわけです。

「映え」より「合理性」が生んだ茶色飯
キャンプ飯が茶色くなる最大の理由は、「合理性」である。
「映え」は手間と引き換えの贅沢品である
若いキャンパーやファミリーキャンパーが、食材の彩りにこだわるのは、「時間」と「手間」をかける余裕があるからです。
しかし、大人のキャンパー、特にソロで楽しむおっさんたちにとって、キャンプにおける「時間」は、「自由」そのものです。
おっさんたちは、焚き火を眺める時間、読書をする時間、ただボーッと空を見上げる時間、つまり「何もしない時間」を最高のごちそうと考えています。
そんなおっさんたちにとって、色鮮やかな料理を作るために費やす「時間と手間」は、優先度が非常に低いのです。
「映えない」とか「彩りがない」と言われようが、「楽してうまい」に勝る正義はないのです。


手間を嫌う「合理性」が彩りを奪う
【下準備の省略】
彩りを出すには、食材を細かく切ったり、複数種類の野菜を仕込んだりする「下準備」が必要です。
しかし、おっさんは「最初から切れているものしか買わない」というスタイルを好みます。
結果、「袋から出すだけの食材」といった、「そのまま焼ける/煮込める」茶色い食材が選ばれるのです。
【洗い物の削減】
複数の色を出すためには、複数の調理器具や皿を使う必要があります。
しかし、おっさんのキャンプでは、「クッカー一つで済ませる」のが最高の効率です。
調理器具が増えれば、当然、洗い物も手間も増え、「皿の上で複数の色が混ざる」こと自体が、洗い物が増加するリスクとなります。
そのため、ワンプレートで完結する茶色い飯(カレー、丼もの、焼き肉)が好まれるのです。
【焦げへの寛容さ】
インスタ映えを意識するなら、焦げは致命的と言えます。
しかし、おっさんキャンパーは、多少の焦げは「ワイルドさ」の証として寛容に受け入れます。
この焦げも、「茶色」ですし、焦げを恐れない姿勢が、料理の彩りを完全に無視することを可能にしているのです。
茶色は旨い!見た目では測れないおっさん飯の奥深さ
ここまで、おっさんのキャンプ飯が茶色い理由を分析してきましたが、そろそろ「茶色の飯の正当性」を主張すべきでしょう。
茶色は旨みの象徴
「茶色とは、旨味の象徴です!」
化学的に見ても、料理における「茶色」は、メイラード反応やカラメル化によって生まれます。
これらは、タンパク質と糖が熱で変化する過程であり、料理に「深み」「香ばしさ」「複雑なコク」をもたらす、人類が最も美味しく感じる反応なのです。
お洒落なキラキラ飯が、爽やかなハーブやフレッシュな酸味を楽しむ「軽やかな美味しさ」であるのに対し、おじさんの茶色い飯は、「胃袋を掴む、重厚な美味しさ」なのです。
自己満足がもたらす茶色スパイラル
ソロキャンプブーム以降、「誰かに見せる」より「自分のために楽しむ」スタイルが主流になり、その結果、料理の見た目を気にする必要はなくなった。
「誰も見ていないなら、見た目を整える意味がない」、これが茶色スパイラルの始まりです。
焼肉を一皿、カレーを一色、ビールを一本?それで満足。
見栄や映えとは無縁の、まさに自分だけキャンプ飯。
炎の前で、焼ける音を聞きながら食べる茶色飯には、SNSでは伝わらない深い味わいがあるのです。


無骨な料理は「心の栄養」?
おっさんキャンプの魅力は、料理の見た目ではなく、その「無骨さ」こそが、心の栄養になるのです。
誰にも邪魔されず、最高の茶色い飯をガツガツとかっ込む、この瞬間こそが、日頃のストレスから解放される、真の自由の瞬間なのです。
「香り」と「音」
若者のキャンプ飯「視覚」で楽しませるなら、おじさんキャンプ飯は「五感」で楽しむものと言えます。
肉が焼ける音、煙に混じる脂の香り、立ち上る湯気など、それこそが最高の調味料なのです。。
見た目の華やかさより、焼き音に「よし、食べごろだな」と感じる瞬間、この感覚的な満足が、茶色い見た目以上の価値を生むのです。
おっさんのキャンプ飯は、SNSの映えよりも、その場の臨場感を楽しむことなのです。
「映え」を獲るか、「茶色」を獲るか
「あなたのキャンプは、誰のためにあるのか?」
あなたのキャンプが『いいね!』をもらうためにあるなら、手間をかけて、鮮やかな野菜を買い込み、丁寧に盛り付けた「キラキラ飯」を追求すべきでしょう。
しかし、もし、あなたのキャンプが「誰にも邪魔されない、自分だけの自由な時間のため」にあるなら、あなたは胸を張って「茶色い飯」を選ぶべきです。
私たちが守るべきは合理性であり、醤油と肉の旨味であり、そして何よりも「自由な時間」です。
キラキラのキャンプ飯は、たしかに魅力的ですが、その輝きは、多くの時間と手間と、複雑な調理器具によって成り立っています。
我々おっさんキャンパーは、その手間と時間を捨て、「茶色い飯」という最高の実用と旨味を選び取りました。
茶色い飯こそ、我々が愛する「ソロキャンプの自由」の勲章なのです。
今日、もしあなたの皿の上が濃い茶色に染まっていたら、それを恥じる必要はありません。
それはあなたが、「自由」を勝ち取った証なのですから。

まとめ:茶色くて映えないおっさんの美学
おっさんのキャンプ飯は、確かに映えない。
「彩り」は少なく「映え」とは無縁で、「茶色」が支配している。
しかしその裏には、手間を省きつつ、味を極め、時間を楽しむ「成熟した合理性」によるものなのです。
SNSの「いいね!」を追うより、自分の自由な時間を噛み締める。
見た目よりも、「香り」と「音」で満たされる。
それこそが、おっさんキャンプ飯の本当の魅力なのです。






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