
スロージギング用リールは高価なモデルが多く、できれば中古で安く手に入れたいと考える人も多いのではないでしょうか。
実際、中古市場には状態の良いリールも数多く出品されており、新品の半額近い価格でハイエンドモデルを入手できることも珍しくありません。
しかし、過酷なソルトシーンで酷使されるリールの中古購入には、特有の「罠」が潜んでいます。
中古リールには個体差があり、内部摩耗や塩害などの問題を見抜けないと「安物買いの銭失い」という最悪のケースになりかねません。
そういう意味では、中古ロッド以上に吟味する必要があります。
この記事では、中古リールを購入する際のチェックポイントや注意点、そして当たり個体を見抜くための目利き方法を、初心者にも分かりやすく詳しく解説します。
それでは始めます。
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スロージギングで「中古リール」は有か無しか
スロージギングは、重いメタルジグを海底から巻上げ、時には大型の根魚や青物と対峙する非常に過酷な釣りです。
そのため、リールには圧倒的な剛性と滑らかな回転、そして繊細なドラグ性能が求められます。
これらの性能を満たすハイエンドモデルは、新品だと5万円〜10万円を超えることも珍しくありません。
そこで選択肢に入るのが中古リールですし、探し求めている人も多いのではないでしょうか。
スロージギング用リールの多くは、耐久性の高い金属で出来ていますので、適切にメンテナンスされていれば10年前のモデルでも現役でバリバリ使えます。
むしろ、旧モデルの方が使いやすかったり、個人的にデザインが好みだったりすることもあるのではないでしょうか。
ただし、中古リール選びは「自己責任」が基本ですので、失敗しないための確かな「目利き」が必要ですし、重要になるのです。
中古リールを購入するメリット
中古リールを選ぶメリットを整理しておきましょう。
ハイエンドモデルを安く買える
スロージギングに使用するドラグ性能や剛性に優れたリールは、実売価格が4万円を超える高価なものがほとんどです。
しかし、中古品であれば半額程度で購入出来ることも珍しくありませんので、憧れのハイエンドモデルを手に入れる事も可能です。
生鮮終了のモデルが手に入る
釣具はモデルチェンジが頻繁に行われます。
その結果、評判の高かった高性能な旧モデルが中古市場に出回る事があり、名機と呼ばれるリールを探す楽しみもあります。
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中古リール購入時のチェックポイント
中古リールの購入を検討する場合は、以下のポイントを確認する事が必要です。
【中古リール購入時のチェックポイント】
◆ 外 観(外観・腐食・ネジ山の状態・リールフット)
◆ スプール(キズ・歪み・回転性能)
◆ ハンドルの回転(シャリ音・ゴリゴリ感)
◆ ドラグ性能
◆ レベルワインダー
以上、これらを確認するだけでもハズレを引く確率はかなり下がります。
外観から分かる中古リールの状態
外 観
外観のチェックは非常に重要で、理由は前オーナーのリールの扱い方が分かるからです。
スロージギングリールは、船のロッドホルダーに立てている際や、不意の衝撃で傷がつきやすいものです。
表面の薄い線傷程度なら性能に影響はありませんが、注意すべきは「深い傷や打痕」で、これが有る場合は「落下などによる強い衝撃」を受けている可能性大です。
また、リールは精密機械なので、強い衝撃は内部にまで及んでいる可能性があります。
塩害による腐食
スロージギングで使われたリールは塩害が発生している場合があります。
特にネジの周りや、パーツの継ぎ目に白い粉が吹いていたり、塗装がぷっくりと浮いているものは、内部で電蝕(アルミが腐食すること)が進んでいるサインデス。
これは手入れを怠っていた証拠であり、内部のベアリングやギアも絶望的な状態である可能性が高いです。
ネジ山の状態
リールを固定しているネジ山が潰れていたり、舐めた跡があったりした場合、前オーナーが素人知識で分解しようとした、あるいは強引なメンテナンスを試みた証拠です。
内部のパーツが正しく組み込まれていないリスクがあるため、初心者は手を出さないのが無難です。
リールフットの裏側
ロッドに装着する「リールフット」の裏側に、激しい塗装剥がれや腐食がある場合、釣行後にロッドから外して洗浄していなかったことが推測できます。

スプール
スロージギングではPEラインを使うため、スプール状態は非常に重要です。
キ ズ
スプールエッジ(縁)に傷があるとPEラインが傷つきます。
最悪の場合はラインブレイクに繋がりますので、指でなぞってザラつきがないか確認する必要があります。
歪 み
スプールに歪みがあると、「回転ブレ」や「ラインの巻き取り不良」が起こりますので、軽く回転させて「ブレ」がないか、確認する必要があります。
回 転
スロージギングではフォールでのアタリを取るため、スプールがスムーズに、かつ異音なく回転することが絶対条件です。
クラッチを切ってスプールを指で弾き、回転がすぐに止まる、あるいは回転中に「キュルキュル」と音がする場合は、スプール軸のベアリングが壊れている証拠です。

ハンドルの回転フィール
中古リールの価値を最も左右するのが「巻き心地」ですので、店舗で触れて確認出来る場合は、ハンドルを回して診断する必要があります。
シャリシャリ音
シャリシャリ音がする場合、主にラインローラーやハンドルノブのベアリングの油分不足、あるいは軽微な塩噛みが考えられます。
これはベアリング交換(数百円〜数千円)で直ることが多いため、価格次第では「買い」です。
ゴリゴリ感
ハンドルを通して手に伝わるゴリゴリした振動は、メインギアやピニオンギアの摩耗や欠損である可能性が高いと言えます。
ギア交換はメーカーの修理になりますので、最低でも1万円以上の出費を覚悟する必要があります。

ドラグ性能
スロージギングは、細いPEライン(1.5号〜2号など)で大物を獲る釣りですので、ドラグの滑り出しが悪ければ、一瞬でラインブレイクに繋がります。
粘 り
ドラグを少し締め、スプールを手で回してラインを引き出し、「カク、カク」と引っ掛かるような感触があるものはNGです。
長期間ドラグを締めっぱなしで放置された可能性が高く、ドラグワッシャーが固着したり変形るしていることが考えられます。
逆に、滑らかに「ジィィィー」と出るものであれば、前オーナーがきちんとメンテナンスしていたリールである可能性が高いと言えます。
ドラグの挙動
「スタードラグ」の場合、調整のピッチが正確か、クリック音がしっかり鳴るかを確認。
「レバードラグ」の場合は、 レバーの動きが渋くないか、またフリーからストライク、フルドラグへの移行がスムーズかをチェックします。
動作が重い場合は内部のグリスが完全に劣化している事が考えられます。
レベルワインダーの状態
レベルワインド機構(糸を均等に巻くガイド)があるモデルの場合、ハンドルの回転と連動してスムーズに左右に動くか確認する必要があります。
ここが砂や塩で噛んでいると、最悪の場合ギアを破損させる可能性があります。
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フリマアプリ等での「目利き」のテクニック
実物を触れないフリマアプリ等での購入はギャンブル性が高まりますが、以下の質問やチェックをする事でリスクを最小限に抑えられます。
【いつ何処で購入し、どれだけ使ったか】
「サブ機として持ち込んだだけで実釣未使用です」という言葉は半分だけ信じることが得策で、重要なのは「最後にメーカーオーバーホール(OH)に出したのはいつか」です。
釣行後のメンテナンス方法を教えて下さい】
「水洗いして陰干し、ドラグは緩めて保管」という回答が即座に返ってくる出品者は信頼度が高いと言えます。
【ハンドルを回した時の動画をアップできますか?】
最近は動画対応のフリマアプリもありますので、音を聞くだけで「シャリ音」は判別可能です。
もし、出品文に「当方素人のため詳細は分かりません」や「ジャンク扱いでお願いします」とある場合は、修理前提の玄人向けですので、初心者は手を出してはいけません。

中古リールはメンテナンス前提で購入
運良く良質な中古リールを手に入れても、そのまま海へ行くのは厳禁ですし、最低限のメンテナンスが必要です。
ラインの巻き替え
ラインが付いたまま売られている中古リールについて、ラインがいつ巻かれたものか、内部で傷んでいないか不明です。
高価なジグと魚を失わないために、必ず新品のPEラインに巻き替えり事をおすすめしますし、その際にスプールに腐食がないかも再確認できます。
注 油
説明書(ネットでダウンロード可能)を確認し、指定の箇所に純正オイルやグリスを注油する事をおすすめします。
オーバーホール
もし予算に余裕があれば、購入後すぐにメーカーの定期点検(オーバーホール)に出すのが最強のメンテナンスと言えます。
数千円でプロが内部を洗浄・調整してくますので、新品に近い状態に回復します。
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中古リール選びのまとめ
大切に扱われてきたリールには、特有の「輝き」と「滑らかさ」が残っています。
逆に、雑に扱われてきたリールは、どんなに外見を繕っても回転の違和感などは消える事はありません。
今回ご紹介したチェックポイントを意識すれば、中古市場は宝の山に見えてくるはずです。
浮いた予算で、ワンランク上のロッドを買うも良し、憧れの高級ジグを揃えるも良し。
賢く中古品を活用して、スロージギングライフをより楽しく、より刺激的なものにしていきましょう!







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