今年のG.Wに、とある川へフライフィッシングに行った際に熊と遭遇し、ビビってしまった事をご報告しました。
しかし、爺が熊と遭遇したのはこれだけではありません。
実は数年前に熊に追いかけられたことがあり、今回はその時の事をご紹介したいと思います。
今年も熊の出没や被害のニュースが後を絶ちませんし、最多だった去年を上回る被害の多さとなっています。
今回の記事が、直接熊の被害の防止に役立つ事は無いと思いますが、少しでも熊の怖さが伝わればと思います。
爺が経験した、「嘘のような本当の話。」をご覧下さい。
熊が泳いで・・・
岩手県南のとある小さな漁港に行った時の話です。
知人の漁師さんから電話があり、「魚がいっぱい獲れたから持って行け。」というので、漁船が返ってくるのを岸壁をウロウロしながら待っていた。
熊が海へ・・・
海を眺めながら歩いていると、「ざぶーーん!」という音が。
漁港の反対側の岸壁で黒い物が海に飛び込んだような・・・?
「なんだあれ?」と、よくよく目を凝らして見てみると、何と熊だった。
見ていると、犬かきならぬ熊かきでこちら側の岸壁に向かって泳いでくるではないか。
熊が岸壁を・・・
おバカな爺は何時ものようによからぬことを考え・・・。
「水面から岸壁まではかなりの高さがあるので、岸壁には上がれないだろう。」
という事で、岸壁から熊が泳いでいる写真を撮ろうと思い、一旦車に戻りスマホを持って岸壁へ。
しかし、熊が泳ぐスピードは想像をはるかに超えた速さで、すでに岸壁に着いているではないか。
「よーし。」と、スマホを構えて写真を撮ろうとした時に、岸壁にゴム製の梯子が付いているのが目に入り、それに熊が足を掛けて登ろうと・・・。
「やばっ!」と思った瞬間、熊と目が合いこちらを睨んでいる。
岸壁の上の爺と水面の熊との距離は約2m。
爺は既に写真どころではなくなり、一目散に車へ・・・。
逃げる途中振り返ると熊は岸壁に上がり、こちらを睨んでいた。
その時の熊との距離は約10m、爺と車の距離も10mほど。
カチャッ、カチャッ・・・
熊が岸壁に上がり終えたのを確認した爺は、二度と振り向くこと無く車へ・・・。
すると後ろから「カチャッ、カチャッ・・・」という、熊の爪がコンクリートに当たる音と、「ウッウッ・・・」という熊の鼻息みたいな音がどんどん近づいてきて・・・。
それでも何とか人生で一番早い逃げ足で、クマに襲われる前に車の中に逃げ込むことが出来た。
ドアを閉めた時、熊は既に車の前まで来ていた。
「はやっ!」
その距離約3m。
熊は車の前で立ち止まり、こちらを見ていた。
熊を追いかけて・・・
車に乗り込んだ爺は、さっきまでのビビリようとは打って変わって強気になり、車のエンジンを掛け、クラクションを鳴らした。
熊はびっくりしたような表情で山の方へ向かって走り出した。
強気になった爺は、「二度と来るなよ!」という思いでクラクションを鳴らしながら熊を追った。
20~30m追ったところで熊は脇へ逸れ、急な斜面を登って山へ逃げて行った。
その後
その後、その様子を軽トラックから見ていた地元の方がやって来て、
「たまにこの山で熊が目撃される事は合っても、港に降りてきて泳いで帰るなんて初めてだ。」
と言っていたが、熊が港を泳ぐなんてしょっちゅうあったら大変だ。
その後、次々と地元の方や漁師さんがやって来て、その話で持ちきりとなり、警察も来たりしてちょっとしたお祭りみたいになった。
話によると、山を下りてきた熊を見た地元の方が、軽トラックで脅かして追い払おうとしたら港の方へ逃げて、最後は海に飛び込んだということらしい。
熊は熊で追い詰められていたのだろう。
それと、皆の話を聞いていると、数人の方が爺が追いかけられているのを見ていたらしい。
「だったら助けろよ!クラクション鳴らすとか、何か出来ただろう!」と言いたかったが止めておいた。
最後は予定通り魚を頂いて帰路に就いた爺でした。
皆さん、熊の走るスピードが速いのは知っていると思うが、泳ぐスピードも相当速い。
爺も昔は海で泳いで遊んでいたし、平泳ぎはかなり早い方だったが、それとは比べ物にならないくらい早いので、皆さんお気を付け下さい。
そうは言っても、熊が泳ぐところを見ることも無いと思うが。
おわりに
今回は、港に飛び込んだ熊が、梯子を登って岸壁に上がり、それを見ていたおバカな爺がその熊に追いかけられた話でしたが、いかがでしたか?
嘘のような、また作り話のような話ですが、実際に有った本当の話です。
「事実は小説より奇なり。」と言いますが、上手いこと言うもんですね。
今年は、熊の被害が史上最多だった昨年を上回る勢いで増えています。
住宅地や学校周辺、散歩コースの河川敷、幹線道路脇、挙句の果てに住宅の中にまで侵入したり、何処に現れるか予想もつきません。
そのような状況ですので、「家に入ってくるかと思い、網戸にしておけない。」とインタビューで言っていたのが印象的でした。
人的被害のほとんどは山に入っての山菜取りやタケノコ取りの方みたいですが、その中には秋田県鹿角市の食害も含まれている。
噂によると、ツキノワグマとは比べ物にならないような大きさで、秋田に有った熊牧場から逃げ出したヒグマが生き残っているか、ヒグマとツキノワグマが交配したハイブリッドの可能性もあるという。
かなり前にも、山で見つかった熊の体毛がヒグマのものだった、という内容の記事が出たりしていたが、この辺の情報は一切公表されていない。
被害をこれ以上拡大させないためにも、情報は公開すべきだと思うのだが・・・。
今後どうなるのか予想もつかないが、今すぐ何らかの対策をしないと、いずれは住宅地で一般の方が襲われるのも時間の問題のような気がする。
どこかの自治体が、地元の猟友会に監視を依頼したら「こんな手当では赤字になり、やってられない。」と言われ、断られたという記事を読んだ。
予算を確保するのも大変だと思うが、子供たちが襲われてはもっと大変だと思う。
どうにかならないものか・・・。
しかし、熊が走る時の「カチャッ、カチャッ」という爪の音は、今でも耳から離れません。
皆さんもお気を付け下さい。
それではまた。
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