
今回は、初心者の方がスロージギングで青物を攻略するための、完全ガイドをお送りします。
スロージギング初心者の方が、最初に狙うべきターゲットは「根魚」と言う事は、「初めてのスロージギング。最初のターゲットは根魚?それとも青物?」でご紹介しました。
「と言う事は、青物は初心者には難しいの?」と思われるかもしれませんが、決してそんな事はありません。
今回は、主に爺の生息地である三陸の海での青物狙いについて、初心者の方でもわかるように徹底的に解説します。
それでは始めましょう!
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はじめに:スロージギングで広がる青物の世界
冒頭にもありますが、青物狙いというと、「なんか難しそう」と思う人も多いと思いますが、ちゃんとした準備さえしておけば、初心者でも十分楽しめる釣りなんです。
ブリ等の大物を掛けたときの引きは格別で、ロッドを持つ手と、リールを巻く腕がパンパンになるくらいのパワー勝負で、スロージギングの醍醐味を存分に味わえます。
今日はそんなスロージギングの魅力や、初心者さんでも青物を釣れるようになるコツを、爺なりに分かりやすく紹介していきます。

青物を狙う楽しさとは?
青物の面白さは、とにかくその強烈な引きにあります。
掛けた瞬間、「おおっ!」と思わず声が出るような突っ込みと、その後のリールのドラグ音が、何回経験しても興奮します。
サイズは小さくても引きが強いのが青物の特徴ですので、釣りの醍醐味を存分に味わうことが出来ますし、「釣った!」という達成感を味わうことが出来ます。

一度この強烈なファイトを経験すると、スロージギングにハマっちゃう人が多いのも頷けます。

代表的な青物たち
青物といっても様々なターゲットがありますが、ここでは三陸に回遊してくる青物について、主なものをご紹介します。
ブ リ
ブリは、皆さんご存じの通り、イナダ→ワラサ→ブリと、大きくなるに従って呼び名が変わる出世魚です。
三陸で釣れるブリは、日本海で冬に釣れる寒ブリのような、脂が乗った食味はありませんが、とにかく強烈な引きで釣り人を楽しませてくれます。
三陸の場合、釣期は6月頃から晩秋までとなり、特に9月の中旬以降にもなると丸々と太った、10kgを超えるようなブリも釣れるようになります。

爺の生息域で釣れる最大の魚で、密度が濃い時などは、ジグが着底する前に喰いついてしまい、ヒラメ狙いの際は釣りにならない時があるほどです。

サ バ(マサバ、ゴマサバ)
サバは、塩焼きや味噌煮、そして〆サバなど、多彩な食べ方が可能な美味しい魚で、釣って帰ると家族が非常に喜ぶ魚でもあります。
ヒラメ狙いの際の外道とされる魚ですが、以前は50cm程の丸々と太った脂の乗った美味しいサバが釣れたものです。
それが現在では、大きなサバはほとんど釣れなくなり、大きくてもせいぜい30cmほどで、痩せた脂の乗りも悪いサバばかりです。

地球温暖化の影響による海水温の上昇などにより、回遊コースが変わったりしているという話も聞きますが、以前のように釣れるようになることを祈るばかりです。

鰹
鰹は、こちらで釣れるのは秋で、戻り鰹?になりますので脂が乗った美味しい鰹を食べることが出来ます。
カツオの場合は中層~表層付近を回遊しながらイワシなどを捕食していて、ベイトに合わせたサイズのイワシカラーのジグなどで誘いをかけて釣ります。
ブリに比べると移動するのが早いみたいで、あっという間に居なくなり、タイミングが合わないとなかなか会う事が出来ませんが、毎年会うのを楽しみにしています。

その他
その他には、ここ数年ですが鰆や太刀魚などが釣れるようになってきました。
以前はほとんど見る事がありませんでしたが、これは地球温暖化の海水温の上昇や、海流の流れの変化によるものだとされています。
また、以前からメジマグロに関しては見る事がありましたが、近年は100kgを優に超える本マグロを見るようになりますぃた。
爺も2度ほど掛けた事がありますが、ドラグが鳴りっぱなしで、オシアジガーから煙が出るんじゃないかと思うくらいの勢いで、ラインが出されてしまいました。
年々釣れる魚が変化してきていますし、今まで釣った事が無い魚が釣れるのも嬉しいのですが、本来釣れるべき魚が釣れなくなってきているのは残念です。
青物狙いに必要なタックルの基本
ロッド
青物の場合、根魚と違って、表層にいるベイトフィッシュを追ってナブラが発生する事があり、その際にはスピニングタックルでキャスティングして狙う必要があります。
しかし、毎回のようにそのような状況が起こるわけではなく、魚探に反応がある場合を除き、底付近から表層までをくまなく探る必要があり、ベイトタックルの出番となります。
基本的には根魚を狙うロッドと同じで問題ありませんが、10kgを超えるようなブリが釣れた場合は、慣れていない初心者の方は取り込みに注意が必要です。

大きな青物をメインに釣りたい初心者の方は、ワンランク強いロッドをおすすめします。
●ロッドの長さ:6ft0inch~6ft6inch 程度
●推奨ジグウエイト:150g~220g程度を快適に扱えるロッド
例 Daiwa アウトレイジSJ の場合は 61B-2~61B-3
ジグウエイト:150g~250g/180g~330g
Shimano ゲーム タイプスローJ B66-3~B66-4
ジグウエイト:MAX 260g/MAX 330g
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リール
ロッドがベイトロッドですので、必然的にリールはベイトリールになります。
そのリールに求められる事は、「とにかく頑丈である事」「ドラグ性能に優れている事」になりますが、青物を狙う場合は、特にこの性能が重要になります。
国内メーカーのものが性能的にも優れていますし、ShimanoやDaiwaのリールであれば信頼性も高く、非常に頑丈ですので、初心者の方にはおすすめです。
また、ラインの巻取りが早いほうが応用が利きますので、ギア比はハイギアがおすすめです。
誰にでも大物が掛かる可能性が有るスロージギングの場合、ロッド以上にリールが大事になりますので、高価にはなりますが、信頼性の高いリールをおすすめします。
また、可能であればラインの放出量が一目で分かるカウンター付きのリールが、指示棚へ素早くジグを送り込む事が出来るのでおすすめです。

【おすすめのリール】
おすすめのリールは、根魚を狙う際のリールと同じで、レベルワインダーが搭載されているリールがラインの片寄りを心配する事なく、釣りに集中出来ます。
Shimano:オシアコンクエスト 300XG(301XG)
:オシアコンクエストCT 300HG(301HG)
Daiwa:ソルティガIC 300H-SJ(300HL-SJ)
:ソルティガ300H(300HL)
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メインライン&ショックリーダー
メインライン
メインライン(道糸)は、初心者だろうがベテランだろうが、PEライン一択です。
太さについては、釣れる魚の最大がブリとした場合、根魚を釣る際と同じ、1.5号~2.0号がおすすめです。
「根魚と同じ1.5号~2.0号の太さで、ブリの強烈な引きに耐えられるの?」と思う方もいると思いますが、何ら問題ありません。
これより太いと潮流の影響を受けやすくなりますし、これより細いとトラブルが起きやすくなりますので、初心者の方には1.5号~2.0号をおすすめします。
ショックリーダー
リーダーに使われている素材は、主にナイロンとフロロカーボンの2種類になりますが、初心者の方にはフロロカーボン製のリーダーをおすすめします。
根ズレに強く、また伸びが少ないために魚のアタリが分かりやすいのがおすすめの理由です。
リーダーの太さは、PEラインの太さとの相性や、結束時の馴染みの観点から、5号~8号がおすすめです。
あまり細いと根ズレに弱くなりますし、これ以上太くなるとラインとの結束の際に馴染みが悪く、本来の強度を発揮できませんので、6号を中心に組む事をおすすめします。
メタルジグ
青物を狙うのであれば、形状はロングジグ又はセミロングジグがあれば問題ありません。
カラーに関しては、個人の好みの問題もありますが、シルバーやブルー系の、いわゆるナチュラルカラーと言われるものが実績があり、おすすめです。
カラーに正解はありませんが、あまり派手なものよりは、ナチュラルカラーのほうが、様々な状況に於いて応用が利くように思います。
初心者の方は、どうしても根掛かりが多くなってしまい、ジグをロストしてしまいますので、最初は1,000円程度の、比較的安価なジグがおすすめです。

アシストフック
アシストフックには、シングルとツインがありますが、ツインフックで問題ありません。
また、根魚から青物まで狙いたい場合は、アイ側とテール側の両方にフックを付けますが、青物だけを狙うのであれば、アイ側だけにフックを付けます。
青物を狙う場合のフックの大きさは、#4/0を中心にその前後の大きさが適しています。


青物を釣るためのポイント
ここでは、青物を狙うためのポイントについて解説していきます。
魚の反応の有無
魚探に青物の反応がある場合、船長からジグを送り込む棚(水深)の指示がありますので、その水深に素早くジグを送り込みます。
また、魚探に反応が無い場合は、底から表層付近まで、幅広く探る必要があります。
アクション
スロージギングとは、いわゆるスローピッチジャークの事で、ロッドをゆっくりとしゃくり上げ、ジグを飛ばして、その後のフォールで喰わせる釣り方です。
ジグをフォールさせる際に弱ったベイトフィッシュ(餌となる小魚)を演出することで、魚に口を使わせる釣り方です。

基本はワンピッチジャーク
ロッドを1回シャクル(ジャーク)と同時に、リールのハンドルを1回転させるワンピッチジャークが基本になります。
メタルジグを規則的なリズムで左右に大きくスライドさせながら跳ね上げる動きを連続して行うテクニックです。
このアクションを軸に、いろいろなアクションを加えて探ります。
コンビネーション
ワンピッチジャークはあくまでも基本であり、それだけで毎回釣れるわけではありませんので、様々なアクションを組み合わせて狙う必要があります。
ハーフピッチ(1/2)や1/4ピッチなどを組み合わせた、いわゆるコンビネーションジャークを駆使して、その日の魚の反応を探ります。
とにかく、ジグに様々なアクションを加えて青物の反応を探り、 その日の状況を見極める事が大事になります。
釣りの流れ
釣りの流れは以下の通りとなります。
●魚探に反応がある場合は、速やかにその棚にジグを送り込む。
●魚探に反応が無い場合は、底までジグを沈める。
その際は、フォール中のアタリにも神経を集中させる。
●ジグが着底したら、素早くリールを巻いて底を切り、根掛かりを防ぐ。
●底を切ったら、前述したアクションを加え、魚を誘う。
●いつ魚が食いついてきてもいいように、常に集中力を保ちます。

サミングの重要性
ジグをフォールさせる時は、常にリールのスプールを軽く親指などで触れ、微妙な魚のアタリなどの変化を感じ取るようにします。
その事をサミングと言い、魚を釣るための非常に重要な必須テクニックですので、必ずサミングは行うようにして下さい。
三陸の海で狙いやすいポイントと季節のタイミング
爺の生息地である三陸に限らず、青物は回遊魚ですので、いつ何処で会えるかは正直誰にも分かりません。
「昨日は爆釣だったのに、今日は全く気配すら無い」何てのは日常茶飯事です。
しかし、いつごろから釣れ始めて、いつごろまで釣ることが出来るかは分かりますので、遊漁船の船長やショップの店員さんに聞いてみる事をおすすめします。
爺が行っているポイントは、6月頃~晩秋までが青物の釣期になりますが、同じ三陸でもポイントによって釣期が全く違いますので、その辺は調べたほうが間違いありません。

初心者でも安心!青物ジギングの安全対策とマナー
青物狙いは人気も高く、釣り人も多いので安全対策とマナーは超大事になります。
ライフジャケットは必ず着用、船長の指示に従う等々、基本的なマナーを守るだけで、みんなが気持ちよく釣りを楽しめます。
初心者の方は、初めての釣行の際は不安だらけですので、分からない事などは事前に船長に聞くなどしてトラブルを防ぎ、青物の引きを思いっきり味わって下さい。
まとめ:青物をスロージギングで楽しもう
今回は、スロージギング初心者が、青物を狙うための攻略法についてでしたが、いかがでしたか?
スロージギングは難しいテクニックがなくても楽しめる釣り方ですし、青物はその中でも一番エキサイティングなターゲットです。
強烈な引きを味わい、釣った魚を美味しくいただく…これぞ釣りの醍醐味です。
初心者さんもぜひ気負わずに、そして臆することなく挑戦してみて下さい。
それではまた!














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