今回は、これからスロージギングを始めようと考えている方が、必ずと言っていいほど悩む「結局、どんなタックルを揃えばいいの?」という疑問にお答えする内容です。
タックルと言っても、ロッド・リール・メタルジグ等々様々あり、最初から全てを揃えるとなるとどうしても大きな金額が必要となります。
自由に使えるお金がたくさんある方や、かなりの額のヘソクリがある方ならまだしも、爺と同じようなしがないサラリーマンにとっては、大きな負担であることは間違いありません。
高価なロッドじゃないと釣れない、何てことは絶対にありません。
かえってコスパに優れたロッドのほうが硬すぎず柔らかすぎず、誰もが使いやすいように設計されているものが多いように感じます。
そこで今回は、爺が持っているものや友人が使っているタックル、そして使った事のあるタックルの中から、コスパに優れたタックルをご紹介したいと思います。
なお、今回ご紹介するタックルは全てベイトタックルですし、あくまでも爺の視点で考えたお勧めのタックルですので、あしからず。
それでは始めます。
ロッド
先ずはロッドの紹介です。
高価なスロージギング用のロッドは、良い意味でも悪い意味でも癖が強いように爺は感じます。
例えて言うならば、癖の強いマニュアルのスポーツカーと言ったらわかりやすいでしょうか。
免許取りたての初心者マークのドライバーが、いきなりマニュアルのスポーツカーを運転したところで、その性能を完全に引き出すことは無理だと思います。
それに比べて大衆車と呼ばれる車は、誰が運転しても同じような感じで走れるのではないでしょうか。
ロッドもその通りで、爺の経験上の感想ですが、比較的安価でコスパに優れたロッドは、誰が使っても釣りやすいように作られているものが多いと思います。
そして徐々に釣りに慣れてくると、じゃじゃ馬のような癖のある扱いにくいロッドを、自分の意のままに扱ってみたいと思うのではないでしょうか。
クルマ好きの方が、「大衆車は運転していても面白味が無い。」い言うのと同じような感じでしょうか。
あくまでも爺の私見ですが。
何はともあれ、先ずは釣りに慣れること、そして楽しむ事を最優先に、経験を積んでいく事をお勧めします。
グラップラー BB タイプ スロー J
先ずご紹介するのは、Shimanoから発売されているグラップラー BB タイプ スロー Jです。
スペックに関しては以下の通りとなり、爺が使用するのを想定した番手のみを記載してあります。
グラップラー BB タイプ スロー J | ||||||||||
品番 | 全長(ft) | 全長(m) | 継数 | 仕舞寸法 | ジグウエイト | 適合ライン(PE) | 備 考 | |||
B66-2 | 6’6” | 1.98 | 2 | 1.502 | MAX200 | MAX2 | グリップジョイント | |||
B66-3 | 6’6” | 1.98 | 2 | 1.502 | MAX260 | MAX2.5 | グリップジョイント |
この他に、B66-1とB66-4がありますが、上記の品番を爺はお勧めします。
その理由としては、近海で使用するスタンダードなスペックで、何処に行っても使用可能なモデルだと思うからです。
この2つのモデルの使い分けとしては、水深がせいぜい70~80m程度までであればB66-2、それより深い中深海までカバーしたい場合はB66-3が向いていると思います。
しかしこれは、あくまでも標準的な考え方になりますので、一番間違いないのは釣り船の船長やその釣り場に精通しているショップの店員さんから聞くのがベストだと思います。
それと、グラップラーの上位モデルであるグラップラー タイプ スロー Jを知人が使用していますが、使わせてみてもらった時の印象としては、同じ番手のロッドに比べて張りがあるというか、若干硬めに感じるアクションでした。
初心者の方は、最初から柔らかいロッドを使うよりは、張りがあったロッドの方が使いやすいと爺は思いますので、そういう意味でもお勧めです。
グリップジョイントという継ぎ方になっていますので、車に積む際にコンパクトになるのも有難いです。
実売価格は16,000円前後と非常に購入しやすい価格ですし、ねじれに強いブランクを採用しているのもお勧めのポイントです。
Shimanoのスロージギングロッドは、他社のものより若干長め(数センチ)に作られているものが多い印象です。
メーカーのコンセプトによる違いだと思いますが、爺が使ってみて違和感を感じる事はありませんでした。
価格以上の性能のロッドだと思います。
ヴァデル SJ
このロッドもグリップジョイントのため、コンパクトに収納可能です。
スペックに関しては以下の通りとなり、これに関しても爺が使用するのを想定した番手のみを記載してあります。
ヴァデル SJ | ||||||||||
品番 | 全長(ft) | 全長(m) | 継数 | 仕舞寸法 | ジグウエイト | 適合ライン(PE) | 備 考 | |||
63B-2 | 6’3” | 1.91 | 2 | 1.41 | 120~200g | 0.8~2.0 | グリップジョイント | |||
63B-3 | 6’3” | 1.91 | 2 | 1.41 | 150~260g | 1.0~2.5 | グリップジョイント |
この他にも63B-1と63B-4というモデルがありますが、初心者が初めて購入する場合は上記のモデルがお勧めです。
スペックはグラップラー BB タイプ スロー Jとほぼ一緒ですし、使うシチュエーションもほぼ同じだと思いますが、ほんの少しですがこちらの方が柔らかく感じるかもしれません。
柔らかいと言ってもベナベナなロッドではありませんし、非常に素直なロッドですので、初心者の方には使いやすいロッドだと思います。
これも実売価格は16,000円前後となっていますので、これもコスパに優れたお勧めのロッドだと思います。
以上、巨大釣り具メーカー2社の製品をご紹介しましたが、信頼のあるメーカーのロッドですので間違いありませんので、見た目の好みで決めても全く問題ない製品です。
この他にもご紹介したい製品がありますが、あまり選択肢が多いと選ぶのが大変になりますので、今回は2製品に絞らせていただきます。
ここで紹介したロッドはチューブラーロッドですので、魚が掛かった場合ロッドを立ててぶち曲げてファイトというのは出来ませんし、ロッドが折れる可能性がありますので注意が必要です。
大きな魚が掛かった場合、ロッドは水平より下に構え、無理にロッドで引き揚げようとせず、リールで引き揚げる、ドラグを上手く使いながら引き上げる、そうイメージしてファイトして下さい。
リール
初心者には、ラインを通すガイドが付いているリールをお勧めします。
ラインが片寄ることもありませんのでトラブルも少なくて済みますので、釣に集中できるからです。
ですので、ここでは全てラインを通すガイド付きのリールを紹介します。
リールに関しては、別の記事「スロージギング、爺の私見。パート2。」でも触れたように、本来であればShimanoのオシアコンクエストやDaiwaのソルティガIC等をお勧めしたいが、どうしても高価になってしまい、負担が大きくなってしまいます。
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これらのリールは高価ではありますが、非常に耐久性に優れており長く使えるものですので、長い目で見るとコスパに優れたリールと言えますが、初期費用的に負担が大きくなるのは避けられませんので、金銭的に余裕がある方はこれらのリールを検討してみて下さい。
グラップラー
初心者にお勧めのコスパに優れたリールとして紹介するのは、Shimanoのグラップラーというリールです。
剛性に優れるHAGANEボディにX-SHIP、マイクロモジュールギアやエキサイティングドラグサウンドなど先進の機構を搭載したリールです。
最大ドラグ力が7.0kg、糸巻量もPE1.5号を300m以上余裕で巻けますし、巻き上げ長さも84cmでハンドル長も70mmですので、基本的なスロージギングに必要なスペックは全て持ち合わせたリールです。
実売価格は23,000円前後ですので、上記リールの約半分の価格で購入出来るのも魅力です。
右ハンドルと左ハンドルが選択可能ですので、自分の巻きやすいほうを選んで下さい。
ブリなどの青物にも十分対応出来るリールですので、初心者には非常にお勧めのリールです。
「ラインを通すガイドが付いたリールは、大型の魚が釣れた場合に壊れたりする。」という記事を見ることがありますが、ガイド付きのリールで10kg以上のブリなどを何本も釣っている方を見てきましたが、一度も壊れたのを見たことはありません。
20kgや30kgの魚になるとどうかわかりませんが、そういう魚が掛かるのは極稀だと思いますので、それほど気にしなくて大丈夫だと思います。
メタルジグ
メタルジグに関しては、なるべく負担を減らすために1,000円前後のものを基準にご紹介します。
セミロングからショートまでチョイスしていますので、カラーを何色か揃えて行けば、近海のスロージギングにはほとんど対処可能だと思います。
ジグの長さにはロング、セミロング、ショートとありますが、メーカーによって分類の仕方が微妙に違いますし、ロングとセミロングは曖昧な事がありますので、それに関しては爺の解釈で説明して行きます。
鏡牙ジグ セミロング
先ずは爺も好んで使用しているDaiwaの鏡牙ジグ セミロングというセミロングジグを紹介します。
本来は太刀魚用に発売されたジグですが、根魚にも青物にも使える万能なジグです、というか全てのジグは万能ですが。
このジグの実売価格は160gで800円代ですので、メタルジグでは非常に低価格であり、費用を抑えるためには非常に有難いジグです。
実績もあり、爺はこれで70cmオーバーのヒラメやゴジラと呼ばれる大きなソイなどを何本も釣っています。
カラーも豊富に揃っていますので、自分の好きなカラーを選べるのも良い点です。
一つ難点を挙げるとすれば、他の高価なジグに比べると引き抵抗が強く、長時間シャクっていると疲れてくる。
それでもこの価格を考えると、そんな事は二の次で、筋トレ、もしくは修行だと思えば問題ない。
以前ご紹介しましたが、爺はPHシルバーのジグに100均で買ったオレンジ色のマニキュアを使って、ゼブラ模様にして使っていますが、これが釣れるんですよ。
皆さんも自分のオリジナルカラーのジグを作ってみるのも面白いと思いますよ。
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ソルティガ ジャイブチョッパー
Daiwaから新たに発売されたソルティガジャイブチョッパーというショート系のジグです。
これは実売価格が150gで1,300円代で、比較的安価な部類に入るジグです。
新発売のジグのため爺はまた使ったことが無いが、価格も安くて面白そうなジグなのでご紹介しました。
カラーは6色と少ないですが、メーカーのHPを見ると奇麗にカラーリングされているジグなのがわかります。
今度馬券が当たったら買ってみて、その使い勝手などを報告出来ればと思います。
ジグパラ バーチカル ロングスロー
次はメジャークラフトのジグパラ バーチカル ロングスローを紹介します。
実売価格は150gで700円前後ですので、今回紹介する中では一番安いジグになります。
カラーは10色で、様々なシチュエーションに対応可能です。
ロングジグとセミロングの中間的な長さで、細長いジグにしてはフォールが比較的ゆっくりで、底物の魚にも有効な印象があります。
爺はイワシカラーを使っていますが、イワシがベイトの場合にはヒラメにも非常に有効ですし、実績もあります。
安くても使えるジグですので、ボックスに入れておいても良いのではと思います。
オシア スティンガーバタフライ ペブルスティック
次はShimanoのオシア スティンガーバタフライ ぺブルスティックの紹介です。
実売価格は150gで1,500円代で購入出来ますので、これは中間的な価格と言えると思います。
セミロングジグでカラーは10色ありますので、自分の好みの色が見つかると思います。
爺はキョウリンシルバーとブルピンを使っており、特に青物に有効なジグという印象がありますが、底層にイワシがいる時はヒラメにも有効で、かなり数を釣らせていただきました。
若干引き抵抗は感じますが、扱いやすいジグだと思います。
オシア ウイングフォール
次はShimanoのオシア ウイングフォールの紹介です。
ティアドロップ型のショートジグで、実売価格は160gで1,100円前後となっていますので低価格のジグと言えます。
カラーは8色で、Shimanoと言えばこれ、という感じのラインナップです。
ティアドロップ型、あるいは木の葉型と言われるジグの特徴ですが、フォールが遅いので潮が早い時には向いていませんが、爺はジグを魚に長くを見せたい場合などに使用しており、どちらかと言うと底物に有効なイメージです。
以上、比較的購入しやすいジグの紹介でした。
今回紹介した中から、自分の好みのジグやカラーを選択し揃えることで、ほとんどの釣り場に対応が可能と考えています。
使用するジグの重量は、行きたい釣り場やターゲットによって変わってきますので、釣り船の船長やショップの店員さんに聞いてみるのが間違いありません。
安いから釣れない、という事はありませんし、絶対に釣れるジグも釣れないジグも存在しません。
あとは使って行きながら、フォールの早いジグとか遅いジグとか、様々な状況によって使い分けることが出来てきますので、とにかく使ってみて下さい。
ジグに正解はありませんので、とにかく使ってみて自分なりの釣りを確立していくしかありません。
何て立派な事を言っている爺ですが、いまだに爺もジグのセレクトは迷ってばかりですが、それが釣りの面白いところでもあります。
ライン&リーダー
ラインはPE、リーダーはフロロカーボンの製品をご紹介します。
PEライン
PEラインには4本撚り、8本撚り、12本撚りなど、様々な撚り数がありますが、撚り数が多いほど価格も高くなります。
その中で初心者にお勧めするのは8本撚りになります。
4本撚りは原糸が太いので根ズレに強いという性質がありますが、8本撚りや12本撚りは細い繊維を編んで作られているので、表面が滑らかで潮流の影響を受けにいという特徴があります。
また、以前爺は安いという理由で4本撚りのラインを使った時がありますが、魚が掛かってラインを巻き取る際に、糸鳴りがして気なった事がありましたが、8本撚りに替えてからは糸鳴りもしなくなりました。
もちろん全ての4本撚りのPEラインが糸鳴りするわけではないと思いますが。
それでは紹介して行きます。
グラップラー 8 PE
Shimanoのグラップラー 8 PEをご紹介します。
以前はタナトル8 PLF78R 300m 1.5号というShimanoのPEラインを使っていますが、今は廃番になりました。
8本撚りのラインはたくさんありますが、マーキングしてあるラインで、且つ購入しやすい価格となるとそれほど多くありません。
カウンターが付いているリールだとマーキングしてないラインでも問題ありませんが、カウンターが付いて無いリールではマーキングしてあるラインを見ながら棚を探る必要があります。
底物だけを狙うのであれば問題ありませんが、船長から棚について指示があった場合、その棚に素早く合わせる必要があり、マーキングしていなければ棚を合わせられません。
そういう意味でもカウンターが付いて無いリールには、マーキングしてあるラインが必要だと爺は思います。
そういう意味でこのラインをお勧めします。
高価な素晴らしいラインもありますが、初心者の方は特にトラブルも発生しやすいので、高価なラインの性能をフルに引き出せませんし、トラブルのたびにラインが減っていき、お金だけが掛かってしまします。
ですので最初のうちはコスパの良いラインをお勧めします。
比較的安価なラインではありますが、間違いのないラインです。
リーダー
オシア EX フロロリーダー
フロロカーボンのリーダーはオシア EX フロロリーダ-をお勧めします。
爺も使っていますが、比較的安価で使いやすく、特に強度不足を感じることもありませんし、魚が掛かって切れたりしたこともありません。
PEラインと同じで、最初の頃はトラブルも多いことが考えられますので、安価で購入しやすいほうがコストも抑えられていいと思います。
タックルボックス
最初から高価なタックルボックスは必要ないと思いますし、自宅にある工具箱でも構は無いと思います。
ジグや小物が入ればいいので、濡れても問題ないと言うのであればバックパックでも問題ないと考えています。
後々の事を考えてタックルボックスを用意したいと考えているのであればリングスターのドカットをお勧めします。
安くて物がたくさん入り、なおかつ丈夫なタックルボックスですし、爺はそれを自分なりに使いやすいように改造して使用しています。
もしも興味があるようでしたら関連記事をご覧になって下さい。
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救命胴衣
救命胴衣を購入する上で必ず確認しなければならない事があります。
船に乗る場合、国土交通省の承認を受けた桜のマークが入っているもの以外は違反になりますので、注意が必要です。
ただ、桜のマークが入っていても海域によっては違反になるものがありますので、購入する際はTYPE-Aと言われる救命胴衣を購入すれば間違いありません。
救命胴衣には最初から浮力材が入っているタイプと、海に落ちた際に自動で膨張するタイプ、そして海に落ちた際に自分で紐を引っ張って膨張させるタイプがあります。
また、膨張させるタイプの救命胴衣には、ハーネスタイプのものとウエストベルトタイプのものがあります。
いろいろある中で、爺がお勧めするのはハーネスタイプかウエストタイプの自動膨張式の救命胴衣です。
さらに、ハーネスでもウエストタイプでもどちらでも構いませんが、どちらか選べと言われれば夏場でも快適なウエストタイプをお勧めしますし、価格も安いので負担も減らせます。
ウエストタイプは必ず上下を確認して着用して下さい。
それを間違うと、海に落ちた際に足側が浮いてしまいかえって危険ですので、絶対に間違わないように。
救命胴衣は必ず着用しなければなりませんので、快適な物を着用して釣りを楽しんでください。
終わりに
今回はスロージギングを初めてみたい、または興味があるという初心者に向けたタックルの紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょう。
出来る限り金銭的に負担とならないようチョイスしたつもりですし、安価だからと言って使い物にならないようなものは載せたつもりはありません。
どれも実績のあるものばかりですし、あとは自分の財布と相談して、どれにするか決めて下さい。
そして釣りを思いっきり楽しんでください。
タックルが無ければ釣りも楽しめませんので、この記事が少しでもその手助けになれば幸いですし、皆様が楽しく釣りが出来ることをお祈りいたします。
それではまた。
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