
スロージギングは、誰もが平等に大物を釣るチャンスがある釣りですが、気付くと釣果に大きな差が出来ている、そんな奥深い釣りでもあります。
その差は何なのか? よく耳にするのは「よく釣る人は、食わせの【間】の取り方が上手い」という事です。
上手な方と同じようなメタルジグを使い、同じようにメタルジグを動かしているのに、自分には魚が反応しない事ってありますよね?
実はその時、魚は「ジグが止まる瞬間」や「ジグの動きの変化」に反応していると言われており、その微妙で絶妙な【間】の作り方が釣果の分かれ道になるという事です。
この記事では、スロージギングの【間】の取り方や、潮流や魚種別の使い分け、上手な人が実践しているテクニックなどを分かりやすく解説していきます。
最後まで読み、【間】の取り方をイメージし、釣果アップに繋がればと思っています。
それでは始めます!
釣果を左右する【間】とは?
スロージギングに於ける【間】とは、ジグが上昇を止めフォールし始める一瞬や、フォール中にステイ(静止)する一瞬の時間の事で、【ジグを止めて、魚に見せる時間】の事です。
この「止める」「待つ」という時間があることで、魚に考える余裕を与え、「食うか、食わないか」の最終判断をさせる大切な要素になるという事です。
つまり、【ジグを動かすより止めることこそが、スロージギングの真髄】であり、ジグを動かして魚に意識させ、ジグを止めて魚に食わせる、というイメージになります。
捕食魚にとって、速く逃げ回るベイト(小魚など)を追いかけるのはエネルギーの消費が激しい割に、捕まえる確率も低くなります。
その点、弱ったベイトなどが一瞬止まった瞬間は、捕食魚から見ると「楽に捕食できる獲物」という事になり、これが【食わせの間】という事になります。
上手なアングラーほど、この【間】を自在に操ることで釣果を伸ばしているのです。
【間】が生まれるメタルジグの操作とリズム
【食わせの間】は、主にジグのフォール(落下)とステイ(静止)の2つの要素で構成されます。
フォールとステイのメカニズム
フォール
ロッドをしゃくり上げた後、ジグは上昇を止めトップで一瞬ステイし、その後自重によりヒラヒラと姿勢を崩しながらフォールを始め、落ちて行きます。
このヒラ打ちを伴うフォールは、弱ったベイトが海底に向かって沈んでいく様子を再現しています。
このフォール中に、魚は「今だ!」と判断しバイトすることが非常に多く、特に、活性が低く、なかなか追いきれない状況で効果を発揮すると言われています。

ステイ
ステイとは、水中のジグが一瞬静止した状態の事を言います。
ジャーク後のジグが上昇を止め、一瞬静止した状態や、ジグの形状によってはフォール中のジグがヒラ打ちを止め、一瞬漂ったり静止したりする状態になる事を言います。
そのような状態は、警戒心の強い捕食魚に対して非常に有効で、ジグを食わせる最高のチャンスとなります。
この「動から静への移行」や「静からの始動」の一瞬こそが魚の補食スイッチを強烈に刺激すると言われています。
【間】で魚が食う!バイトを誘発する理由
魚の習性と【間】関係
青物や根魚など、多くのターゲットは「動くものを追う」という本能を持っていますが、実際に食い付くのは【止まった瞬間】が多いと言います。
ベイトが動いている間は「追跡モード」、ベイトが止まった瞬間に「捕食モード」へとスイッチが切り替わるという事です。
つまり、【間】とは魚の補食スイッチを入れる「食わせのトリガー(引き金)」であり、このタイミングを意識出来るかどうかで釣果が変わると言っても過言ではありません。

【止め】の瞬間に食う魚の心理を読み解く
魚は視覚だけでなく、側線(魚の側面にある感覚器官)でも水の動きなどを感じ取っています。
ジグが止まった瞬間、水の流れが変化し、魚は違和感を持ってジグに注目し、再び動き出す瞬間に反射的に食い付いたりすると言われています。
この【間→再始動】のジグのリズムが、魚の本能を刺激するパターンであり、特にスローピッチジャークにとってはバイトを生む決定的な要素と言えます。
状況別【間】の使い分けテクニック
食わせの【間】は、常に一定では無く、ターゲットとする魚種や潮流、その日の魚の活性によって、最適な【間】の長さは柔軟に変える必要があります。
活性の違いによる【間】の取り方
高活性
魚の活性が高い場合、ロッドをシャクリ上げて、次のシャクリに移るまでの時間を短くし、次から次へとジグを動かす方が反応が良いことが多いと言われています。
これは、魚がジグを探して積極的に追ってきているため、【間】が長すぎると見切られてしまう場合があるためです。

低活性
魚の活性が低い場合、ベイトを追いきれなかったり、ベイトをじっくりと観察したい場合の状態と言われています。
意図的にフォール時間を長く取り、ジグが漂う時間を長くする事でバイトを引き出します。
潮流による【間】の取り方
潮流が速い時
潮が早い時は、ラインの抵抗によりジグが直ぐに押し流されて姿勢を崩しやすいため、短めの【間】をテンポよく刻むのが効果的だと言われています。
特に青物の場合、動かすリズムを崩さず、ジグが水平姿勢を保てる範囲でテンポよく【動→止→動】を繰り返すのが効果的だと言われています。

潮流が遅い時
潮が緩い場合、【間】を長めに取る事が有効で、特に魚の活性が低い場合は、ゆらゆらと漂わせる時間を長く取る事が効果的だと言われています。
この「見せる時間」を長く取る事で捕食魚の興味を引き、我慢できずに食わせる事が有効で、特に深場では【長い間】が釣果を生むカギになります。
魚種別有効な【間】の取り方
ブリ等の青物
テンポを重視した短い【間】が有効とされている。
速い動きで魚の興味を引き、一瞬の【間】で食わせるのが有効とされ、その中にも緩急をつける事で様々な状況に対応出来ます。
根魚類
根魚や底物に関しては、ジグをじっくりと見る傾向があり、長めの【間】が有効とされています。
長めのフォールとステイを多用し、粘っこく底付近を狙うのが効果的です。
釣れる人がやっている【間】を活かす実践テク
釣果を安定して出すアングラーは、【間】を単なる静止時間ではなく、ジグを演出する時間として捉えています。
見せて食わせる【操作法】
上手な人ほどジグのフォール姿勢等を意識していると聞きます。
そのためには、個々のジグのフォール姿勢を把握し、ある意味ステイの瞬間を自ら作り出していると言えます。
ジャークからのステイ、そしてフォール直前からフォールまでの、一連のジグの動きをイメージ出来ているという事です。
自分の手の【間】を意識する
【間】を作り出すのはジグではなく、釣り人の手による動きです。
ジャークの早さや巻きのリズム、ロッドの角度等々、それらを一連の流れとしてコントロールする事で、常にそれぞれの状況に合わせた【間】を作ることが出来ます。
【動かす → 止める → 感じる】というテンポを身体に染み込ませる事で意識せずとも魚が反応する“間”を作れるようになります。
【間】のまとめ
今回は、スロージギングに於ける【間】の取り方についてでしたが、いかがですか?
「【間】を制するものがスロージギングを制す」少し大げさに聞こえますが、釣果に大きな影響を与える事は間違いありません。
あなたのスロージギングが、今一つ伸び悩んでいるならば、先ずは【間】を意識してみて下さい。
たった1秒の【間】が、釣果アップに繋がる事を願っています。



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