フライフィッシングに行って熊と遭遇。その時爺が取った行動は?

釣り
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 2024年のゴールデンウィーク、今シーズン初のフライフィッシングに行ってきた。

 風も無く天候にも恵まれ、これで渓魚が釣れれば最高の一日になるだろう、そう思っていた。

 その時までは。

 そしてついに、熊に遭遇したのです。

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出発

 爺の今回のゴールデンウィークは、10連休という久々に長期の休暇を取ることが出来た。

 孫達が入れ代わり立ち代わり遊びに来るが、スポット的に爺一人だけの日が出来たため、フライフィッシングに行く事にした。

 何処の川に行こうか考えたが、いくら雪が少なかったとはいえ、内陸の渓流はまだ水温も低く厳しいだろう。

 今の時期ドライフライを楽しむのであれば、雪代も収まり水温も高めの三陸沿岸の中小河川が良いだろう。

 という事で、爺の生息地から車で20分ほどの川に行ってみることに。

 ここの川は渓流という感じではなく、集落の横を流れている里川で、遠征に出掛けるほどの時間が無い時によく行く川で、車を停める場所も所々あり、入渓しやすいので釣り人も多い。

 そのため魚もスレているが、毛鉤釣りをする釣り人は少ないため、フライマンにとっては穴場と言えます。

 釣れる魚は山女魚8~9割、岩魚1~2割くらいだろうか。

 以前は岩魚がもっと多かったが、年々山女魚の割合が増えてきた。

 このように手軽に入渓できる場所で人も多いので、当然のこと今まで熊を見たこともありませんし、熊が出た話も聞いたことがありませんでした。 

 そんな川なので、今回は熊が出ることを想定しておらず、熊鈴や笛、そして撃退スプレーも今日は持ってきていません。

 本来は川の景色や釣れた渓魚の写真を撮りながら、後日ブログで紹介しようと思っていたが、それどころではなくなった。

本日のタックル

 ロッドはティムコユーフレックス・Jストリーム JS763-6をチョイスした。

 7’6”の3番、6ピースのフライロッドで、非常に素直で扱いやすいロッドです。

 川幅は、広いところでも12~13mで、場所によっては木が張り出しているので、このくらいの長さが使いやすい。

 20年ほど前に購入し、とっくに廃番となっている、今でも出番が多いカンパネラの7’6”の3番ロッドと迷ったが、今回はJストリームにした。

 ロッドのジョイント部には、自宅で事前にジョイントワックスを塗布して、ジョイントの抜けと固着を防止。

 ラインは、やはりティムコスープラ ロングドリフトライン (LDL)をチョイス。

 リーダーはLDLリーダーの13ft-6X、ティペットはミスティープラスティペットの6Xを使用。

 今日は風も無いので、小さな川ではあるが長めにしても問題ないだろう。

釣り開始

 下流側にある釣り券取扱所で釣り券を購入し、川沿いを上流に向かって車を走らせるが、思ったほど釣り人がいない。

 いつも車を停めている場所が空いていたのでそこに駐車。

 渓を眺めると水量も平水で、気温が高いためか虫も結構飛んでいるし、これは期待できる。

 さっそくウエーダーを履き釣りの準備をして、川の様子を確認しながら下流側へ歩いて移動。

 来る時に、下流側で餌釣りの方が釣りをしていたので、「この辺なら下流の釣り人の邪魔にはならないだろう。」という所で入渓する事に。

 川に入ると、ウエーダーから伝わるヒヤッとした感じが心地いい。

 しばし川の様子をうかがうが、水生昆虫のハッチもライズも確認できない。

 様子見で、いつものパイロットフライのTMC102Yに巻いたパラダン#15を付けて釣りを開始。

 天気も良く気温も上昇してきているとはいえ、時期的にまだ瀬には出ていないと思うので、流れの緩いポイントを中心に釣り上がる。

 すると、石裏の巻き返しでフライに反応が。

 魚がフライを咥えようとした時にドラグが掛かり、戻ってしまった。

 相変わらず下手くそである。

 毛鉤の浮力を回復させるためティムコフライドライで毛鉤の水分を吸い取り、ドライデイップ スーパーに浸けて余分な液を吹き飛ばし、リーダーとティペットにシマザキ リーダーグリースを塗って浮力を回復させた。

 「さっき出てきたのが山女魚だったら2回目は厳しいかな? 中流域なのでほぼ山女魚の生息域だし。」

 そう思いながら、先ほどのポイント上流へフライを落とし、ポイントを通過しようとしたら吸い込むようにフライを咥えた。

 釣れたのは20cm程の山女魚だった。

 サビも消え、パーマークが奇麗な山女魚だ。

 下手くそな爺に釣られるくらいだから、間抜けな爺みたいな山女魚かもしれない。

 写真を撮ってリリース。

 幸先の良いスタートとなった。

 フライは魚のヌメリと水を吸った影響で、直ぐには浮力が回復しないので、フライウォッシュスプレーで洗ってヌメリを取り、フライパッチに付けて乾かしておく。

 また同じフライに交換し上流へ釣り上る。

熊、現る

 先ほどのポイントから30mくらい釣り上がった所で何かを感じた。

 視線を感じるというか、何というか・・・。

 「下流側から釣り人でも来たのか?」と思い、振り返るが誰もいない。

 「気のせいか。」と思い、上流側に視線を戻そうとした時、左岸側の土手の上に黒いものが・・・。

 よく見ると、熊だ!

 先ほどから感じていたのは、右斜め下流の土手の上からの熊の視線だったのだ。

 距離にして20mも無い。

 「やばい、せめて撃退スプレーがあれば・・・。」と思ったが、後の祭りだ。

 熊はじーっとこちらを見ている。

 こういう時は「熊に背を向けたり、視線を外すな。」と聞いていたので、爺もその場にとどまり熊を見ていた。

 本来は視線を外さずに、ゆっくりと後ずさるべきなのだろうが、流れのある川で、それも石が多い川ではそれも難しい。

 時間にしてどのくらい睨み合っていたのか覚えていないが、爺にはもの凄く長く感じた。

 すると、下流側から車が来た。

 その運転手は熊を見つけるとクラクションを鳴らしながら熊に近づいて行ったが、熊は慌てる事も無くゆっくりと山の方へ逃げて行った。 らしい。

 らしいというのは、川からだと土手の向こう側が見れないからで、あとで車の運転手から聞いた話だからです。

 下流から来た運転手の方も釣りに来ていたそうで、熊が土手の上にいたので追い払うためにクラクションを鳴らしていたそうで、爺が川に入って釣っているのは知らなかったそうだ。

 何と運の良い事か。

 地元の釣り人と話をしていると、近くの農家の方が来て「警察には連絡したから、もうすぐ来ると思う。」と言っていた。

 「この辺では今まで熊を見たことが無い。」と農家の方が言っていたが、やはりそうみたいだ。

 そうこうしているうちにサイレンの音が近づいてきた。

 一通り警察の方に状況を説明し終わり、皆で話をしていたら、防災無線で熊の情報を流していた。

その時、爺が取った行動は

 熊と遭遇した爺が取った行動は、

 「背を向けず目をそらさず動かなかった」と言うよりは「動けなかった」です。

 背を向けず目を離さなかった、と言うのは正解だったと思うが、それ以外何も出来なかったし、何も考えられなかった。

 ただ立ち尽くしていたというのが本当のところです。

 せめて撃退スプレーでもあれば気持ち的に違ったと思うが、はたしてホルダーからスプレーを抜いて噴射させる準備が出来ただろうか。

 こっちは川の中、熊は土手の上、熊の走るスピードからするとスプレーを噴射するのは無理だったかもしれない。

 熊の走る速さと言ったらとんでもない事は爺が一番わかっているつもりです。
 と言うのも、爺は10年ほど前に熊に追いかけられたことがあるからです。

 その他にも、熊は何度も目撃していますので、これらの件については別の記事でご紹介しようと思います。

 後で冷静になって考えたが、熊はこちらを見ているだけで、威嚇するわけでも無く、襲ってくる素振りも無かった。

 爺が勝手に怖がって怯えていただけかもしれないし、以前熊に追いかけられた経験がそう思わせたのかもしれない。

 それほど熊との遭遇は爺にとっては恐怖以外の何者でもなかった。

 襲われなかっただけでも良しとしなければ・・・。

おわりに

 今回はフライフィッシングに行って熊と遭遇した話でした。

 内容としては、ただ単に熊と遭遇しただけで、熊を撃退したなどという武勇伝は無く、面白味に欠けるかもしれない。

 ただ、これを読んでいる方は想像してみて下さい、不意に熊と遭遇した時の事を。

 貴方は冷静でいられますか?

 そうならないためにも熊の撃退スプレーや熊鈴などは忘れずに持ち歩き、熊と出会わないよう対策を講じるしかありません。

 車から離れる時にクラクションを鳴らしたり、釣り場に入る前に笛を吹いて、こちらの存在を知らせるのも良いでしょう。

 今年は熊の被害が最多だった昨年を上回るペースで増えています。 

 何時何処で熊に遭遇するかもしれませんので、皆さん十分に気を付けて下さい。

 爺はしばらく一人ではフライフィッシングには行けないだろう。

 友人と二人なら何とかなるが、お互い予定を合わせるのも難しいし、どうしたものか・・・。

 ビビりな爺の悩みの種がまた増えた。

 それではまた。

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