
今回は、昨年100円ショップのグッズを利用して改造したクーラーボックス、Shimanoのスペーザライト35Lキャスターをさらにグレードアップするための再改造と、その結果についてご紹介します。
前回の改造の際は、それなりに保冷力もアップしたのですが、細部と言うか手間の掛かる箇所については手を抜いてしまったので、素直に喜べず、また後悔もしていました。
今回は、その手を抜いた部分の改造と、100円ショップで見つけた新たなアイテムを使用して保冷力のさらなる向上を目指して再改造してみましたので、最後までご覧下さい。
それでは始めます。
再改造前の保冷力検証
再改造する前に、現在の保冷力を検証しておきます。
検証方法
検証方法
●ペットボトルを2本用意し、水をいっぱいに入れて冷凍庫で2日以上凍らせます。
●凍らせたペットボトルの重量を計ります。
●重量測定が終わったら、速やかにクーラーボックスに入れて蓋を閉めます。
●12時間後、蓋を開けてペットボトルを取り出します。
●ペットボトル内の溶けた水を排水します。
●残った氷の重量を測定します。
以上、前回と同じです。

前回は1,000mℓのペットボトルを2本使用していましたが、今回は同じものが無かったので、トマトジュースや野菜ジュースが入っていた720mℓのペットボトルを2本使用して行いました。

今回再改造するスペーザライト35Lキャスターと、冷凍庫から出した凍らせたペットボトル2本です。


スタート時の室温は20℃ほどで、この日の予想最高気温は28℃でした。

1本目の凍ったペットボトルの重量を計ります。
1本目重量=769.5g でした。

2本目の凍ったペットボトルの重量を計ります。
2本目重量=772.5g でした。

重量測定後、速やかにクーラーボックスに入れて蓋を閉めます。
12時間経過
12時間が経過したので蓋を開けてみます。

蓋を開けた途端、冷気が辺りに広がり、最高に気持ちいいです。

ペットボトルを取り出してみると、氷がしっかりと残っていて一安心です。


1本目の氷の残重量を計ります。

1本目の残重量=444.5g でした。

2本目の氷の残重量を計ります。

2本目の残重量=445.0g でした。

以下が再改造前の保冷力の検証をまとめた表になります。
| スペーザライト 再改造前の保冷力検証 | ||||||||
| 項 目 | 1本目 | 2本目 | 計 | |||||
| 検証前の重量 | 769.5 | 772.5 | 1,542.0 | |||||
| 12時間経過後の重量 | 444.5 | 445.0 | 889.5 | |||||
| 残存率(%) | 57.8% | 57.6% | 57.7% | |||||
前回の改造後の氷の残存率が64.9%で、今回の氷の残存率が57.7%と少なくなっていますが、これはペットボトルの容量が小さくなったためと思われます。
ペットボトルが小さくなったために、クーラーボックス内を冷やすのに時間が掛かったからではないでしょうか。
去年使用したペットボトルが有れば良かったのですが、すでに資源ゴミに出してしまったので、しょうがなく今回はこのペットボトルを使用しました。
それでも、再改造後も同じペットボトルを使用するので、保冷力がアップしたのか、それとも下がったのかは判断が付きますので、勘弁願います。
再改造
それでは再改造を始めます。
使用した材料

使用する材料は、前回も使用したアルミテープと、災害時に使用する保温アルミシートです。

これが今回新たに使用する保温アルミシートです。
アルミテープより薄く、クッキング用のアルミホイルより丈夫で使いやすいのではないかと思い、100円ショップのダイソーから買ってきました。
今回の秘密兵器です。
本体再改造
解 体
先ずは本体を解体します。

蓋を取り外した状態です。

次にハンドルを外します・
ハンドルを立てて、上から握りこぶしで叩くと簡単に外れます。


次は水抜き栓を取り外します。

今回はこのような道具を使ってプラスチック製のナットを外しました。
ちなみに、道具の名前は分かりません。

これが水抜き栓を外した写真です。
部品を無くさないように仮に組み立てておきます。

次は、蓋をロックするための金具を取り外します。
先にこれを外さないと、内枠と外枠を固定するボルトが外せないからです。


金具を外したら、内枠と外枠を固定するボルトを外します。

最後は、本体と蓋を密着させて、気密性を高めるためのロック機構の部分にある内枠と外枠を固定するボルトを外します。


全てのボルトを外したら、内枠と断熱材をゆっくりと持ち上げて外します。

これが解体した本体です。
今回再改造するのは、前回手を抜いた断熱材の赤丸部分へアルミテープを貼るのと、外枠と断熱材の内部に今回用意した保温アルミシートを貼る事です。

本体再改造
それでは、本体の再改造を始めます。

前回手を抜いた断熱材の底の部分の細部へアルミテープを貼った写真になります。
アルミテープを貼るだけなので、特に写真は撮っていません。

今回は調子に乗って断熱材の上部の面倒な部分にもアルミテープを貼りましたが、組立てた際に収まるかどうか正直心配です。
次は外枠の内部へ保温アルミシートを貼り付ける作業になりますが、断熱材に内枠を入れ込む際に引っ張られて剥がれる可能性があるため、断熱材に保温アルミシートを被せて入れ込む事にしました。

この写真のように、断熱材全体を保温アルムシートで包むような感じで貼付けます。
こうする事により外枠に断熱材を入れ込む際に引っ張られて剥がれる事が無くなります。

これが断熱材を包むように保温アルミシートを貼った写真になります。
本当に薄いので、ちょっとした事で切れたりしましたが、その部分はテープで補修してあります。
しかし、いくら薄いとは言え、収まるかどうか心配です。


と言う事で、さっそく断熱材を外枠にゆっくりと入れ込みます。
保温アルミシートが裂けたりしないよう、全体を確認しながらゆっくりと押し込みます。

結構きつかったのですが、何とか無事に収まりました。
保温アルミシートだから収まったようなもので、外枠の内部へアルミテープを貼れば入らなかったかもしれません。

断熱材の内側への保温アルミシートの貼り付けもやめて、内枠の外側を包むように保温アルミシートを貼り付けて行きます。

内枠を包むような感じで保温アルミシートを貼り付けた写真です。
これで本体の再改造は終わりですが、あとはこれが何とか収まるのを祈るだけです。


保温アルミシートが裂けないよう細心の注意を払い押し込んで行きます。

これも結構きつかったのですが、時間を掛けて押し込む事で何とか収まりました。
これで本体の再改造はクリアしました。
蓋再改造
次は蓋の再改造に入ります。
蓋解体

外した蓋をひっくり返し、ゴムパッキンを外します。

先ずは蓋のロック機構を固定しているボルトを片側4本、計8本を外し、ロック機構を外します。
その後、内枠と外枠を固定する全てのボルトを外します。

蓋再改造

前回は蓋の断熱材の裏表だけにアルミテープを貼りましたが、今回は内枠と外枠へ保温アルミシートを貼ります。
これは蓋の内枠に保温アルミシートを貼り付けた写真になります。

この写真は、蓋の外枠に保温アルミシートを貼り付けた写真になります。
いつものように飽きてきたため、細かな部分は今回も手抜きしちゃいました。
こういう所がダメなのは自分でも分かっているのですが、60年以上こうして来ているのでどうにもなりません。

蓋は本体ほどきつくはありませんでしたが、それでもギリギリでしたので、薄っぺらな保温アルミシートを使って正解だったと思います。

これで全ての再改造の作業が終了です。
後は保冷力が上がっている事を祈るだけです。

再改造後の保冷力検証
再改造後の保冷力の検証方法は、再改造前の検証と全く同じです。

それでは再改造が完了したスペーザライト35Lキャスターの保冷力の検証を行います。
前回使用したのと同じペットボトル2本を凍らせたものを用意します。

今回の検証スタート時の室温は22℃で、予想最高気温は30℃なので、前回より条件的には厳しくなっています。


1本目のペットボトルのスタート時の重量を測定します。

1本目の重量=777.0gとなっています。

2本目のペットボトルのスタート時の重量を測定します。

2本目の重量=771.0gとなっています。
1本目と2本目の重量の差が6gほどありますが、これは凍らせたペットボトルが若干変形したからだと思います。
検証結果は氷の残存重量ではなく、残存率なので問題無いと判断しました。
12時間後にはどうなっているのか楽しみです。
12時間経過
12時間が経過したので蓋を開けてみます。

いつもの事ですが、蓋を開けた時に冷気が広がるのが気持ちいいですね。
パッと見た感じ、氷の残り具合は同じような感じに見えます。

改造前の検証と比べて、スタート時の室温も高かったですし、予想最高気温も高かったので不安ではありますが、残っておる氷が少しでも増えている事を願い測定します。


1本目の氷の残重量の測定です。

1本目の氷の残重量=471.0g となりました。


2本目の氷の残重量の測定です。

2本目の氷の残重量=468.5g となりました。
再改造後の保冷力検証結果は以下の通りになりました。
| スペーザライト 再改造後の保冷力検証結果 | ||||||||
| 項 目 | 1本目 | 2本目 | 計 | |||||
| 検証前の重量 | 777.0 | 771.0 | 1,548.0 | |||||
| 12時間経過後の重量 | 471.0 | 468.5 | 939.5 | |||||
| 残存率(%) | 60.6% | 60.8% | 60.7% | |||||

結果は?
クーラーボックス再改造後の保冷力の結果は、以下の通りとなりました。
| 項 目 | 再改造前 | 再改造後 | 差 | |||||
| 検証前のPBの総重量 | 1,542.0g | 1,548.0g | - | |||||
| PBの氷の総残重量 | 889.5g | 939.5 | - | |||||
| 残存率(%) | 57.7% | 60.7% | 3.0% | |||||
結果としては、氷の残存率が3%アップしたので成功と言えると思いますが、この3%がどのような意味を持つかは全く分かりません。
今回の再改造によって、同じShimanoのスペーザシリーズのベイシスと比べて保温力は上なのか下なのか、またはリミテッドと同様の性能を持つまでになったのか、チャンスがあったら比べてみたいですね。
再改造前の検証に比べて、再改造後の検証時の室温も最高気温も若干高く、条件的には悪かったのですが、氷の残存率は高くなったので、自分としては大成功です。
100円ショップで売っているぺらぺらの保温アルミシートの効果が、これほど凄いとは正直思いませんでしたし、改めて100円ショップは宝の山だと気付かされました。

おわりに
今回は、以前改造したクーラーボックスのさらなる保冷力アップのための再改造についてでしたが、いかがでしたか?
保冷力アップのために新たに使用した材料は、災害時に身体を温めるために使用するぺらぺらの保温アルミシート1枚でしたが、たったこれだけでグレードアップ出来るのでコスパは抜群だと思います。
クーラーボックスは、釣りやキャンプには無くてはならない必須アイテムですし、ほんの数百円で保冷力をアップすることが出来ますので、是非皆さんもチャレンジしてみて下さい。
保温アルミシートがまだ残っているので、以前改造したホームセンターの安いクーラーボックスも再改造してみようと思いますので、結果が出たらお知らせします。
それではまた!





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