今回は、近年広まってきている電動リールを使った電動ジギングについて考えてみます。
スピニングリールやベイトリールを使ったジギングとは違った、第三のジギングゲームとも言われている新たなゲームフィッシングです。
電動リールと言えば、以前は深海の餌釣りや、三陸で言えばカレイの餌釣りなど、餌釣りで使用されているイメージがありましたし、使っている方は比較的高齢の方というイメージでした。
それが現在では餌釣りもジギングも、そして水深も関係なく、電動リールのモーター音を聞く機会が多くなりました。 (遊漁船の近くで釣りをしているとモーター音が聞こえてくる。)
しかし、年齢に限ってはいまだに年齢層が少し高いような・・・。
釣り具メーカーのDaiwaでは「電動ゲーム」という呼び方でゲーム性をアピールして広く周知をはかっていますし、Shimanoも様々なアイテムを発売しています。
今回はその電動ジギングの魅力などについて、いろいろ掘り下げて考えてみます。
それでは行きましょう。
電動ジギングとは
電動ジギングとは、言うまでも無く電動リールを使ったジギングの事です。
電動リールと言えば深海のターゲットを釣る際に使う他は、体力が衰えた高齢の方が使うという、あまり良いイメージがないというのが正直なところでした。
しかし今では、電動ジギング用のリールはもちろん、専用のロッドまで発売されていて、ゲーム性を高めて幅広い年齢層の釣り人に広まりつつあります。
爺の知り合いで、80m以深でのジギングの際は電動ジギングを行っている方がいますが、「楽で楽で、水深100mを超えると特に楽。いいよ~。」と聞かされています。
そんな電動ジギングについていろいろ調べてみましたので、ご紹介して行きます。
電動ジギングの特徴
それでは電動ジギングのメリット、デメリットをご紹介して行きます。
電動ジギングのメリット
・体力的に非常に楽
魚とのファイトやジグの回収をリールが行ってくれるので、体力的に非常に楽である。
・超高速リトリーブが可能
疲れ知らずの電動リールでしか出来ない超高速リトリーブやアクションが可能。
・ヒットパターンを正確に再現できる。
電動リールの特徴である様々なジャークやアクションモードを搭載しており、ヒットパターンを掴んだ場合はそれを正確に再現することが可能。
・手巻きでのジギングも可能
通常の手巻きでのジギングも可能であり、様々なアクションモードなどと組み合わせる事で幅が広がる。
・様々な事を数値化出来る
フォールスピードやフォールをストップさせる水深などを数値化して設定可能。
・誰もが同じように釣りが可能
様々な事を数値化出来るため、それをインプットする事によりベテランも初心者も同じような釣りが可能になる。
電動ジギングのデメリット
・高価
電動リールの価格は定価で10万円を超え非常に高価である。 また、専用ロッドを揃えるとなるとロッドとリールだけで定価が20万円近くになる。
・バッテリーが必要
遊漁船の中には電動リールの電源を取れる船もありますが、中には備えていない船もあり、その場合は高価なバッテリーとケーブルを用意し持ち込む必要があり、それにプラス高価な充電器も必要になる。
・ケーブルが邪魔
電動リールの構造上ケーブルが必要になり、船上での動きが制限される。
・釣り味に欠ける?
手でリールのハンドル巻いてのファイトに比べると「獲ったどー!」という釣り味に欠けるのでは?
・音が大きい
巻上げ時のモーターの音が結構大きくて、遊漁船から100m以上離れた所で釣りをしていても聞こえるくらい大きい。
電動ジギングの一番のメリットは、何と言っても体力的に非常に楽であり、特に年齢が高くなるにつれて体力が劣ってくる釣り人にとっては大変ありがたいアイテムだと思います。
しかし、タックルを揃えるとなると相当の金額になりますので、それが最大のデメリットでもあります。
電動リール、電動ジギング用ロッド、バッテリー、それにケーブルや充電器を合わせると、あくまでも定価ですが30万円近い金額になります。
仮にロッドは現在使っているものを用い、電源を備えた遊漁船に乗る事でバッテリーや充電器を買わないとしても、電動リールとケーブルで10万円は掛かります。
そのへんは各釣り人の判断となりますが、一般の釣り人には大きな負担であることは確かです。
釣り味に欠けるというのはあくまでも爺の意見であり、「使ってもいない奴が勝手な事を言うな!」と叱られそうですが、やっぱり自分の力で巻き上げて釣るのが釣りの楽しみでもあると、今のところは思っています。
今後は爺も体力が衰えていき、釣りをするのもきつくなってくると思いますが、釣りが出来なくなる事だけは嫌ですので、いずれは電動ジギングのお世話になるかもしれません。
ですので、今後も電動ジギングの釣り方やタックルの進化からは目を離されませんね。
電動リールのご紹介
Daiwa:シーボーグ G200J
先ずは、DaiwaのシーボーグG200Jをご紹介します。
リールの糸巻量を基準にした大きさで言うと、Shimanoのオシアジガー1000HGと同じ、オシア コンクエストCT 300HGより一回り小さいリールとなります。
最大巻上力が26kg、JAFS基準巻上力が10kg、常用巻上速度1kg負荷時で155m/分となっていますが、電動リールには詳しくないのでこの数値がどのくらいの性能なのかわかりませんが、巻上げの力は相当強そうだというのはわかります。
重量が520gと他のリールに比べて重いですが、様々なモードで自動でシャクってくれる事を考えれば、このくらいの重量は問題ないと思います。
項 目 | シーボーグG200J | オシア コンクエストCT 300HG | オシア ジガー 1000HG | ||||||||
重 量 | 520g | 355g | 405g | ||||||||
糸巻量(PE) | 1.5-450、2-300、3-200 | 1.5-500、2-380、3-250 | 2-300、3-200 | ||||||||
最大ドラグ力 | 10kg | 7.5kg | 7kg | ||||||||
定 価 | 113,000円 | 61,300円 | 56,700円 | ||||||||
実売価格(2024年8月末) | 93,000円台 | 46,000円前後 | 33,000円台 |
Daiwa:シーボーグ G300J
次は、DaiwaのシーボーグG300Jをご紹介します。
リールの大きさは、Shimanoのオシアジガー2000NRHG、それとソルティガ 15H-SJと同じ糸巻き量です。
最大巻上力が59kg、JAFS基準巻上力が14kg、常用巻上速度1kg負荷時で146m/分となっており、リールの重量は55gしか違わないのに巻上げの力はシーボーグG200Jに比べてさらに強くなっています。
項 目 | シーボーグ G300J | オシアジガー2000NRHG | ソルティガ 15H-SJ | ||||||||
重 量 | 575g | 595g | 485g | ||||||||
糸巻量(PE) | 3-400、4-300 | 3-400、4-300 | 3-400、4-300 | ||||||||
最大ドラグ力 | 16kg | 10kg | 8kg | ||||||||
定 価 | 114,000円 | 62,000円 | 80,000円 | ||||||||
実売価格(2024年8月末) | 93,000円台 | 48,000円前後 | 66,000円前後 |
Shimano:ビーストマスター 1000EJ
最後はShimanoもビートマスター1000EJです。
リールの大きさはDaiwaのシーボーグG300Jと同じになります。
重量が700gとなっており、今回紹介するリールの中では一番重いリールですが、その分モーターが強いのか常用巻上速度1kg負荷時で168m/分と最大になっています。
項 目 | ビートマスター1000EJ | オシアジガー2000NRHG | ソルティガ 15H-SJ | ||||||||
重 量 | 700g | 595g | 485g | ||||||||
糸巻量(PE) | 3-400、4-300 | 3-400、4-300 | 3-400、4-300 | ||||||||
最大ドラグ力 | 15kg | 10kg | 8kg | ||||||||
定 価 | 144,700円 | 62,000円 | 80,000円 | ||||||||
実売価格(2024年8月末) | 74,000円前後 | 48,000円前後 | 66,000円前後 |
以上、電動リールのご紹介でした。
しかし、同じ大きさのリールの場合、最大ドラグ力は電動リールの方が大きいのは知りませんでしたし、大きな魚とのやり取りでモーターに負荷が掛かって壊れたりしないのか疑問でしたが、何の心配も無いみたいですね。
しかし、小さなモーターがこれだけのパワーがあるなんて凄いですね。
電動ゲーム用ロッド
次は、電動ジギング用の専用ロッドをご紹介します。
専用ロッドじゃなくても釣りは可能ですし何の問題も無いみたいですが、専用ロッドが発売されているという事は何らかのメリットがあるからだと思いますので、それが何なのか見て行きましょう。
Daiwa:ネオステージ DG(電動ジギングモデル)
電動リールと違い、電動ジギング専用ロッドにしては定価が4万円前後と、比較的購入しやすいのが魅力ですね。
長さは6ftと、6ft3inchの2種類で、100~250g、160~350g、300~500gの3種類です。
アクションも2種類のタイプがあり、ブランクに張りを持たせたカーボンを使用したタイプと、カーボンにグラスをコンポジットしたしなやかなロッドの2種類です。
しっかりとジグを動かしたい方は張りを持たせたタイプを、高速ジャークでブリなどを狙う場合はしなやかなタイプをお勧めします。
重量は通常のジギングロッドに比べて重くなりますが、電動リールによるジャークを使用しますのでそれほど負担にはならないのではと思います。
Shimano:オシア EJ
長さは全てft3inch、ロッドの番手(強度)は3~6までの4種類で、青物であれば10kg~25kg、マグロ類であれば50kg程度までターゲットとしています。
専用ロッドらしく、ブランクスはもちろんリールシートからグリップまで全てが専用設計されており、特にガイドに関してはらせん状に配置されたスパイラルガイドとなっており、糸がらみを防いでいます。
非常に粘りがあるロッドで、全体で荷重を受け止める、スムーズな曲がりが特徴のロッドで、定価は55,000円前後と、専用設計にしては比較的リーズナブルな価格となっています。
この他にゲーム タイプ EJという電動ジギング専用ロッドがあり、こちらも青物であれば10kg~25kg、マグロ類であれば50kg程度までターゲットとしています。
同じく専用設計されたロッドで、定価は4万円台前半とさらに購入しやすい価格となっていますので、オシアEJも含め選択肢が非常に多いのもメリットです。
電動ジギング用メタルジグ
電動ジギング専用のメタルジグもありますのでご紹介します。
Shimano:オシア EJスピード
電動リールによるハイスピードジャークを行なった場合、通常の使用しているジグだとスピードに耐えられずに回転してしまい、魚にジグを食わせる事が出来ませんでした。
しかし、専用設計のオシア EJスピードであれば安定した高速スライドが可能となり、魚を誘う事が可能になります。
重さは230g、260g、300gの3種類、カラーは全6色の青物用ロングジグです。
Shimano:オシア EJスライド
オシア EJスピードは超高速での誘いが得意ですが、中低速をカバーするのがこのオシア EJスライドです。
根魚から青物まで、どんな状況でも対応出来るオールマイティーなリヤバランスのジグです。
重さは150g、200g、250g、300gの4種類、カラーは全6色で、形状的にはショートとセミロングの中間的な形状といえます。
Daiwa:電動ゲーム KYジグ
Shimanoのオシア EJスピードと同じ高速リトリーブに対応したジグで、回転しずらいように設計されており、且つ初めから糸ヨレを防ぐためのスイベルがセットされています。
重さは220g、250g、300g、350gの4種類、カラーは5種類の、青物用のロングジグです。
Daiwa:電動ゲーム SPジグ
Daiwaの電動ゲーム SPジグです。
ショートピッチジャークを得意としますが、高速リトリーブにも対応したオールラウンダー的なジグで、電動ジギングのメソッドに対応した専用のジグです。
重さは160g、180g、200gの3種類で、カラーは全5色です。
根魚から青物まで対応出来るジグとなっています。
おわりに
今回は、電動リールを使った電動ジギングについてでしたが、いかがでしたか。
以前は大きかった電動リールも、近年の技術の進化にともない小さくて軽くパワフルな巻上とハイスピードの巻き取りが可能となっています。
今はまだ体力もあるため、ブリ等の青物も何とか釣り上げていますが、正直に言いますと間違ってブリが3連発で掛かったりしたら最後はヘトヘトで腕がパンパンです。
爺もとっくに還暦を過ぎていますし、これからはブリを釣り上げるのも今より時間が掛かるようになると思いますので、いずれは電動リールのお世話になるかもしれません。
今後は電動リールや専用ロッドもさらに進化していくでしょうから、いつかお世話になる時の事も頭に入れて目を離さずにいたいと思います。
それではまた。
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