
前回は、北三陸で釣れるスロージギングの対象魚と、使用するロッドについて爺の私見を交えてご紹介しましたが、今回はリールとライン、そしてリーダーについてご紹介して行きます。
なお、パート-1でも触れましたが、スロージギングにはベイトタックルがおすすめですので、ここで紹介するリールは全てベイトリールになりますのであしからず。
また、あくまでも爺の嗜好であり私見でありますので、これは違うという事もありかと思いますが、その際にはご勘弁下さい。
それではさっそく始めましょう。
リールについて
安物買いの銭失い?
リールはスロージギングにおいて最も大事なタックルではないかと考えます。
大物が掛かった際のドラグ性能や巻き上げの力、何よりも壊れない頑丈さとトラブルが少ないというのが釣りに求められることだと思います。
余 談
スロージギングを始めて間もない友人と一緒に釣りに行った時の話です。
その友人にブリが掛かり、必死に魚を寄せてきてあともう少しというところでリールのギアがあっけなく壊れてしまったのです。
ギアが壊れたリールは、ドラグが引き出されることもなく固まってしまい、最後はラインブレイクしてバラしてしまいました。
そのリールは海外製で、日本ではあまり知られていないリールでしたが、彼がリールを購入する際は「大きい魚を問題なく釣り上げた。」という口コミを見て決めたという事でした。
価格は3万円ほどと、必ずしも安くはないのですが、あの壊れ方を見るとちょっとそのリールは・・・、という感じのものでした。
ファイト中のドラグが不安定というか、スムーズにラインが出て行かないというか、上手く表現できませんが、下手くそな爺が見ていても「んっ?」と思うような性能のものでした。
「みんなと一緒のリールは嫌で個性を出したくて購入した。」という事でしたが、「あんなに簡単に壊れちゃうとは・・・。」とショックを隠し切れないでいましたが、頭にきてその日のうちに新しいリールをネットで購入。
「かえって高くついた。最初からこっちにしておけばよかった。」と後悔していました。
安物買いとは言えませんが、結果的に銭失いになったという事です。
そして彼が新たに買ったリールが、DAIWAのソルティガ IC-300H-SJというリールです。
ガイドリングが付いたリールで、且つカウンター(ラインが何m出ているか分かる機能)が付いたスロージギング用のリールです。

カウンターはとても便利な機能で、特にサクラマスなどを狙うときに、その棚に素早くジグを投入出来るというのは、それだけでアドバンテージを得られるからです。
現に彼は、次の年にサクラマスを釣りあげています。
魚探に40m付近に反応が出ていたので、その棚をピンポイントで狙って釣った、会心のヒットでした。
爺もカウンター付きのリールをいつかは持ちたいと考えているが、お小遣いが・・・。
ともかくリールに関しては、少々高くても信頼のおけるものを買う事をお勧めしますし、長い目で見ればそのほうがお得だと思います。
リールのガイドリングは有か、無しか
スロージギングで使われているベイトリールは、ラインを通すガイドリングが付いているものと付いていないものがあります。
【ガイドリングが付いているリールの特徴】
ガイドリングが付いているベイトリールは、ラインをスプールに均等に巻き付けることが出来るレベルワインダーという機能が付いているため、ラインが片寄ることがありません。
また、ガイドリングが付いているリールの中には、カウンターが付いているものがあり、ラインがどのくらい出ているかデジタル表示され、瞬時に確認できるものがあります。
【ガイドリングが付いていないリールの特徴】
ガイドが付いていないタイプは、構造が簡単でトラブルも少なく非常に丈夫。
しかし、慣れないうちはラインが片寄ってスプールに巻かれてしまい、それが気になって釣りに集中出来なかったりする。
以上が、ガイドの有る無しの主な特徴です。
ガイドリング付きのリールは、強度が低く壊れやすいなどと言われる事があります。
しかし、仮に普段釣れる最大のターゲットが10kgオーバーのブリであれば、何の問題も無く釣り上げることが可能ですし、壊れたのを見た事も聞いたこともありません。
以上の事などから、初心者の方が最初に購入するのは、ラインを均等に巻くことが出来て、釣りに集中出来るガイドリング付きのリールをおすすめします。
リールの大きさ(糸巻き量)
リールの大きさ(糸巻き量)は、最低で釣り場の水深の3倍以上の長さを巻けるリールがおすすめです。
水深の3倍のラインを巻いてあれば、仮にラインが水面付近で高切れしても、残りのラインの長さが水深の2倍残っていることになり、問題無く釣りを継続できます。
これを最低の糸巻き量として考えています。
仮に水深が100mで最大のターゲットが10kg程度のブリの場合、ラインの太さはPE1.5号か2.0号程度(あくまでも爺の私見)で、その太さのラインを300m以上巻けるリールという事になります。
具体的な例としては、ガイドが付いているものはShimanoもDaiwaも300番、ガイド無しの場合は、Shimanoは1500、Daiwaは15番といったところで十分かと思います。
また、100mより深い場所で釣りをする方は、もう一回り大きいリールのほうが良いと思います。

ハンドルは右か左か。
右ハンドルにするか左ハンドルにするかは、各自の利き腕や巻いた時の感覚で選んでも問題ないと思います。
通常右利きの方は右ハンドル、左利きの方は左ハンドルにしている場合が多いと思いますが、爺は右利きでも左ハンドルを使用しています。
昔は渓流のルアーフィッシングもしていたので、右手にロッドを持ってルアーをキャストし、直ぐに左手で巻き上げる必要があり、それに慣れてしまっているので、今でも左巻きのほうがしっくりくるからです。
ハンドルの向きは、自分が使いやすいと思ったほうを購入して何の問題もありません。
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HGかPGか。
リールにはHG(ハイギア)やPG(パワーギア)といった、ラインを巻き取る速さが早いものと遅いものがあります。
PGは巻き取りは遅いが、巻く力が強いため大物を釣り上げるには楽だという事ですが、今のリールはどれも巻き上げる力が強いので、釣り全体を考えるとHGのほうが応用が利くのでおすすめです。

カウンターは必要か。
次はカウンター付きか無しかですが、金銭的に可能であればカウンターが付いたリールが良いと爺は思います。
前述したサクラマスの釣り棚の話のように、カウンターを見ながら素早くその棚を狙えるのは非常に便利な機能になります。
カウンターが付いていないタイプでも、ラインに10m毎にマーキングが付されているものであればそれを見ながら棚を探ることは可能ですが、カウンターが付いていると瞬時に棚を合わせることが可能です。
しかし、サクラマス釣や棚を意識しての釣りはやらないとか、根魚や底物だけ狙うという方は当然必要ないですし、価格も安くなりますので、カウンター無しを選んで全然問題ありません。
なお、構造上カウンター付きはガイドが付いているタイプのリールしかありませんので、カウンターを必要とする方はガイド付きのタイプから選ぶことになります。
Daiwaであれば先に紹介したソルティガ IC-300H-SJ、Shimanoであればオシアコンクエスト CT-300HGがそれに該当しますし、これらがお勧めです。
どちらも高価なリールですが、高性能な信頼のおけるリールですので間違いないです。
爺のリール
ちなみに爺は、ShimanoのオシアジガーFカスタム1501HGという、左巻きでハイギアのガイドが無いリールをメインに使用しています。
最初はガイド無しに慣れなくてラインの偏りが気になり、釣りに集中できなかったのですが、今は問題なく使用しています。
Shimanoのオシアジガーといえば、ジギングでは超有名なリールで、強度や巻き上げの力など、どれを取っても信頼のおけるリールです。
数年たった今でも何のトラブルも無く、ドラグは滑らかで丈夫なリールで、まだまだこの先お世話になることでしょう。

ラインについて
PEライン。
ラインに関してはPEライン一択です。
PEラインは何本かの細い糸を編み込んで1本の糸としたもので、構造的に伸びが少なく、水深が深くなっても魚の当りをダイレクトに伝えてくれます。
また、同じ強度であれば普通の糸に比べて細くできるため、潮流の影響を受けにくく、釣がしやすいくなるからです。
このように、初心者はもちろんスロージギングを楽しむためにはPEラインが必須と言う事です。
ラインの太さ(号数)
ラインの太さ(号数)に関しては、釣のターゲットにもよるが、北三陸で釣りをする場合はブリが最大と考えると、1.5号~2.0号で大丈夫です。(これも爺の私見)
1.2号でも問題無いですが、ラインが高切れした場合など、老眼の爺には細くてよく見えず、現場で結ぶとなると1.5号が限界だったというのが理由です。
また、潮流の影響を考えると出来る限り細いほうが有利ですが、トラブルなどを考慮すると1.5~2.0号がおすすめ、という事になります。
知り合いの方の中には1号を使用している方もいて、それでなんなくブリを釣り上げていますが、初心者の方はどうしてもライントラブルが多くなりますので、あまり細すぎるラインはお勧めしません。
また、細いPEだと、ちょっと船に擦れただけでもそこから切れる場合があり、扱いには気を使いますのでご注意ください。
ラインの編み数
PEラインの構造は細い糸を何本か編み込んで作ってありますが、この編み込んだ糸の数にもいろいろあり、4本編み、8本編み、12本編みなどがあります。
直線強度は編み込み数が多い12本編みのほうが強度が高くなるみたいですが、価格もそれに比例して高価になりますので、各自お財布と相談して決めて下さい。
4本編みは、価格が安くて扱いやすいですが、ロッドのガイドを通る際に糸鳴りするものがあり、それがストレスとなる場合があります。
あくまでも個人的な見解ですが、価格と扱いやすさのバランスという点で、8本編みのPEラインがおすすめです。
PEラインのカラーについて
PEラインには単色のものと、10m毎にマーキング(色分け)してあるものがあります。
前述したように、サクラマスを狙ったりする場合はマーキングが付いていたほうが棚が取りやすくて便利ですが、根魚だけ狙う場合は必ず底を取るためマーカーは必要ありません。
また、カウンターが付いているリールの場合は、マーカーは必要ありませんので、自分の見やすい、又は好きな色を使用して構いません。
ちなみに現在爺はShimanoのグラップラー 8 PE を使用していますが、強度的にも問題無く、且つ比較的安価で気に入っています。
このラインはマーキングされており、使っているリールがガイド無しカウンター無しのオシアジガーなもので、マーキングが付されてないと棚が取れないからです。

リーダーについて
リーダーとは、正式名称はショックリーダーと言い、その名の通り魚が掛かった際などの衝撃を吸収するものです。
また、リーダーには別の役割もあり、根ズレに弱いPEランの先端に、耐摩耗性に優れたリーダーを取り付けることにより、根ズレによるラインブレイクを防ぐという目的もあります。
特にフロロカーボン製のリーダーは耐摩耗性に優れているため、最も使われているリーダーの素材ですし、おすすめのリーダーの素材でもあります。
リーダーの太さ(号数)は?
リーダーの太さ(号数)に関しては、ブリのような大きくても10数キロの魚の場合は5号~6号で大丈夫です。
また、メインラインの1.5号のPEと結束する場合、5~6号のリーダーが一番結束しやすく、安定した強度が得られているような感じがするからです。
漁礁や根回りを攻める場合には7~8号を使用している方もいますが、爺はその場合でも5~6号を使用しており、全く問題無く魚も上げています。
これについても、あくまで爺の私見であり、皆さんそれぞれ考えが違ったりするかと思いますが、自分の使用感を優先して使用しています。
リーダーの素材について。
リーダーにはフロロカーボンとナイロンが使われており、それぞれの特徴をご紹介します。
フロロカーボン
メリット
●硬くて伸びが少なく、根擦れに強い。
●伸びが少ない特性から感度が良い。
●ナイロンに比べて吸水性も低く、水中でのステルス効果も高い。
デメリット
●素材が硬くて結束しずらく、特に太いリーダーは結束強度にばらつきが出やすい。
●一般的ナイロンより価格が高い。
ナイロン
メリット
●一般的にフロロに比べて安価。
●柔らかくて扱いやすいため、結束強度が安定している。
デメリット
●フロロに比べて耐摩耗性に劣るとされている。
●吸水性がフロロに比べて高いため、劣化が早い。
結局どっちがいいの?
爺の結論は、初心者にお勧めするのはフロロカーボンです。
慣れないと結束強度が安定しないと話しましたが、爺が使用している5~6号のリーダーの場合はさほど気にする必要も無いと考えています。
重要な特性としては、当たりが取りやすいというのが一番お勧めする理由でもあります。
初心者の方には、当たりの感度が良いというのは大きなメリットになると考えるからです。
特に水深が深い場所では余計にも違いが出るように感じますので、とりあえずフロロを使用していれば間違いないと思います。
ちなみに爺が使用しているリーダーは、Shimanoのオシアジガーマスターフロロリーダーというもので、硬過ぎず強度的にも全く問題なく、さらにリーズナブルで気にいってます。
PEとリーダーの結束。
PEとリーダーの結束は非常に大事な部分ですが、有名なものではFGノットなどがありますが、これは高切れした際などに釣り場で簡単に結べるようなものではないため、爺は様々なノットを使ってみて、それらの良い部分を取り入れながら、なおかつ釣り場で結べるものを自分で考案して使っています。
現在までそのノットでトラブルが起きたり、結束部分で切れたりという事がないので、当面それを使っていこうと思います。
ブログに慣れ、動画やイラストで説明できるようになったら、紹介しようと考えています。
はたしてそれはいつになることやら。

パート2、おわりに
スロージギングの紹介シリーズの第2弾の今回は、リール、ライン、そしてリーダーに関してでしたが、いかがでしたか?
今回の記事を参考に、間違いの無い、そして後悔しないアイテム購入の手助けになれば幸いです。
特にリールに関しては高価なアイテムであり、そう簡単に買い替え出来ないものなので、多少高価でも頑丈でトラブルのないドラグ性能に優れたリールを購入する事をおすすめします。
次回は、どんなメタルジグがおすすめなのか私見を述べたいと思いますので、お楽しみに。
それではまた。






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