絶対釣れるジグは無い!
爺の私見パート-1で北三陸で釣れる魚種とロッドについて、パート2はリールとライン、そしてリーダーについて書いてきました。
今回のパート3では、ある意味最も選択が難しくて悩むメタルジグ(以下「ジグ」)についてご紹介して行きたいと思います。
ジグはロッドやリールに比べてはるかに多くのメーカーや種類がたくさんあり、個人の考え方や嗜好により使っているジグも皆さん様々です。
また、一つのメーカーのジグを見ても、ロング・セミロング・ショートなどの形状の違いや、カラーの種類や材質の違いなど様々あり、特に初心者の方はどんなジグを使ったら良いのか悩みが尽きないと思います。
しかし、結論を言いますと、
「絶対に釣れるジグはありませんし、絶対に釣れないジグもありません」
これを言うと元も子もありませんが、これは間違いない事実です。
しかも、何も考えず漠然とジグを選択するというのは、ある意味釣りの楽しみの一つを捨てているようなものだと爺は思います。
プロと言われる方々はそれぞれ自分の考えを持っていて、潮の流れ、波の状況、風の状況、天気、時間帯、対象魚、今までの経験などから、自分の考える最適なジグを選択していると思います。
それが的中して釣れる場合もあれば、プロでも全く釣れない時もあるでしょう。
釣れない場合には再度思考を巡らせて次のジグを選択して・・・という事を繰り返すことによって自分のデータが蓄積されていき、引き出しが増えていくのだと爺は思います。
ですので、漠然とジグを選択していてはデータは蓄積されませんし、自分であれこれ考えたジグで釣れた場合の嬉しさは格別のものがあると思います。
これが釣りの楽しみの一つだと思います。
これはジャークの仕方などの釣り方の違いによるもので、ジグをどのように操作するかによっても違いが出てくるのだと思います。
一つのジグでも、操作の仕方によっていろいろな動き演出することが出来ますので、それを理解して釣ることによって楽しみが増えることになると思います。
「それじゃー全部自分で考えろって言う事?」
いえいえ、爺の今までのつたない経験から、爺なりの考えを述べていきますので、参考までに目を通していただければ幸いです。
あくまでも爺の私見を交えながらのご紹介ですのであしからず。
スロージギングシリーズの記事はこちら。
・スロージギングで釣れる魚&ロッド編。
・リール、ライン&リーダー編。
・必需品とお勧め品。
ジグの重量について。
ジグの重量については、釣場の水深や潮流などによって変わってきますので、その釣り場に精通している方や、遊漁船の船長から聞いてみるのが間違いないというのが答えです。
ジグの形状によってフォール(落ちていくのが)が速いジグ、遅いジグがあるので、それらを上手く使い分けする必要があります。
潮が動いていないのにフォールが早くてすぐに着底してしまい、魚にアピールできなかったり、逆に潮が速いのにフォールが遅いため、なかなか着底せずジグが流されてしまったりするなど、状況は毎日違います。
ジグの重量によってもフォールスピードは変わりますので、釣りに持っていくジグの形状や重量は、ある程度幅を持たせたほうが間違いありません。
このように、何グラムが最適なのかというのは、正解がないというのが爺の答えです。
ちなみに爺は、落ちるのが比較的早い150g前後のジグを使用してその日の潮流などを確かめ、それによってジグの重量や形状を変更するようにしています。
皆さんも釣りに行った際には、様々な事を試しながら、そして悩みながらジグを選択して、自分なりのメソッドを確立していって下さい。
それが釣りを一層楽しいものにしてくれると思います。
ジグのカラーについて。
ジグのカラーは、重量や形状とともに非常に悩む選択ですが、各自の好みが一番現れるのがカラーではないでしょうか。
シルバー系、ゴールド系、赤系、ピンク系、青系、黒系、緑系、ピンク系、ゼブラ系、ゼブラグロー、フルグローやそれぞれの組み合わせ系、またメーカーによっても色の表現は様々ありますので、選択肢は広くて良いのですが、広すぎて逆に迷ってしまうのではないでしょうか。
しかし不思議なもので、何年か釣りに行っている間にタックルボックスに入っているジグのカラーは少しずつ偏ってきている場合が多いのではないでしょうか?。
これって爺だけかもしれませんが。
これは、自分が釣れた時のイメージにより、「このカラーが良かった。」というのが頭に入っているからで、その事によって自分が意識していないと思っていても、その時のカラーを自然に買ったり使ったりしているのだと爺は勝手に思っています。
爺のタックルボックスを見ると、シルバー、青系(イワシ)、シルバーのゼブラグロー、が多く、比較的シンプルなカラーが多くなっています。
ピンクやゴールドはほとんど見当たらず、オレンジゼブラとアイナメ・ホッケ用に赤と黒のドットグローが1~2本見えるだけとなっています。
一方、いつも一緒に行く友人のタックルボックスを見ると、ほぼ全てのカラーが揃っているのではないかと思うような様々なカラーのジグがあり、非常にカラフルです。
結構対照的なカラーを使っていますが、トータルすると釣果はあまり変わりません。
様々なブログ記事を見ていると、朝マズメはこの色が良いとか、濁っている場合はこの色、サクラマスにはこの色が有効などなど、カラーに関しても様々な事が書かれていますが、それはある意味正解であり、ある意味そうとも限らないと爺は思っています。
ある魚にはその色が有効であり、釣るための一番の近道かもしれませんが、それだけで絶対に釣れる訳じゃありませんし、全くそれとは対照的な色で釣れた事も多いので、そこが釣りの難しい所であり、楽しい所でもあります。
それは、ジグのカラーというより、ジグの動き方やシルエットが要因である部分が大きいのではないかと爺は思います。
ちなみに爺は釣りを開始する時に決めているカラーがあり、それはシルバーです。
爺の中ではシルバーがいろいろな場面で万能なカラーに感じているからです。
別の言い方をすれば、可も無く不可も無いといったところでしょうか。
それで様子を見ながら、また他の釣り人が釣れた時に使用していたカラーを見ながら、ジグのカラーを選択しています。
可能であれば釣り人全員が別々のカラーで釣りをして様子を見るのが一番いいのですが、なかなかそうはいかないので、自分なりのパイロットカラーを決めておくと迷わずに釣りを開始出来ますし、その後は周りの様子などを見ながらカラーチェンジしていくのもありかと思います。
カラーに関しては、本当にいろいろなカラーが各メーカーから出ているし、今まで蓄積されてきたデータや、開発者の考えや嗜好によっても違ってくるでしょうから、最初のうちは選ぶのが本当に迷う項目です。
遊漁船で釣りに行く場合などは、どのような色が有効なのか船長に聞いてみるのもいいですし、釣具店の中には別発注した専用カラーのジグを販売している所もあり、何らかの意図があってそのカラーにしているのだと思いますので、店員さんに聞いてみたり相談してみるのも良いと思います。
ジグの材質について。
ジグには様々な材質のものが販売されています。
一番使われているというか流通されているものは鉛で出来たジグかと思います。
これから始める方や初心者の方は、とりあえず一般的な鉛で出来たジグを用意すれば問題ないと思います。
その他は鉄で出来たものや、タングステンという素材で出来たもの、珍しいものではアルミなどもあり、それぞれ特徴がありますので、簡単に説明していきます。
鉛。
鉛で出来たジグは、一般に販売されているジグの中では一番多く販売されている材質です。
加工が容易であり販売量も多いことから、他の材質のジグよりは一般的に安く(ピンキリですが。)手に入ることから、最もスタンダードなジグと言えると思います。
様々な形状のジグが販売されているため、選択肢が多いというのも魅力です。
タングステン。
タングステンはジグに使われている材質の中では一番比重が大きく、沈む速さが最も早いという事になります
ジグの重量は変えずにシルエットを小さくしい時や、潮が速い時に重宝するみたいですが、価格は鉛のものより高くなりますので、そこがネックとなり小遣いの少ない爺は持っていません。
鉄。
鉄は鉛より比重が小さいため、同じ重量であればフォールスピードは遅くなります。
フォールに時間が掛かるとうことは、魚に長い時間ジグを見せれるという事になり、魚にジグを咥える時間を与えられるという事にもなります。
その反面、フォールが遅いため潮の流れが速い場合は、ジグが流されて釣りがしにくくなります。
爺も鉄製のジグを使っていて、特に根魚には有効だと感じています。
特に春先のアイナメやソイ狙いの時には非常に出番の多いジグです。
価格は鉛のジグと同程度か若干高めなようですが、1~2本は持っていてもいいと思います。
爺が使用しているジグはネイチャーボーイズのスローライダーというジグで、鉄製のジグのパイオニア的なメーカーのものです。
価格は中間~高めの部類に入り、木の葉形のショートジグですが、引き抵抗も小さくて気に入っています。
鉄性という事もあり、塗装に傷がついた箇所から錆びていく事がありますので、錆が全体に広がらないようメンテナンスしながら使用してください。
アルミニウム。
アルミはジグに使われている材質の中で比重が一番小さいものです。
爺は持っていないし使ったこともないので何とも説明できませんが、比重が一番小さいという事から、フォールは非常にゆっくりだという事だけは分かります。
そのフォールの遅さを利用して、魚を掛けるために開発されたのではないでしょうか。
価格もジグの中では一番高価なようですし、爺は今後も買ったり使ったりすることがないジグかもしれません。
ジグの形状について。
ジグの形状はカラーよりも釣果に影響が出るのではないかと爺は思います。
その日の状況にもよりますが、形状によってフォールスピードやフォールの際の落ちていく姿勢が遅かったり速かったり、その違いが魚を誘惑するか、はたまた無視されるか決まる事が多々あると思うからです。
また、ジグの形状によって引きおもり(抵抗)に違いがあり、ロッドをしゃくった際に重たく感じるジグは、長時間使用していると疲れてきて、還暦過ぎの爺には結構堪える時もあります。
引きおもりするジグと、抵抗が少ないジグを比べると、疲れ方が全然違ってきますので、一度試してみて下さい。
多分びっくりするくらい違いが分かると思います。
それとジグにはリアバランス、センターバランス、フロントバランスなどの違いや、左右対称のものや非対称になったジグなど、様々なジグがありますが、今回は主にロングジグ、セミロング、ショートなどの形状の違いによる特徴を話していきたいと思います。
セミロング系。
セミロング系のジグの特徴としては、細身である事からフォールスピードが速く、引き抵抗が少ないためしゃくった時の横にスライドする幅が大きいことが上げられます。
ジギングする方のタックルボックスには絶対入っていると言っても過言ではない形状のジグで、あらゆる状況で使用できる万能性を持ったジグだと思います。
爺が釣りを開始する時に、まず最初に使用するジグはセミロングのシルバーカラーです。
これで状況を確認してから次の手を考えるといった、パイロット的なジグでもありますし、反応が良い場合は終日セミロングで通すこともあります。
釣の際には絶対に外せないジグですので、必ず準備して行きましょう。
セミロングには断面の形状が丸っぽいものと、エッジが効いたシャープな形状のものがあり、エッジが効いたタイプのものはよりスライド量が大きいように爺は感じます。
爺は断面が丸っぽいジグを使うほうが多いですが、その理由としては様々な動きを演出させやすく感じるからです。
上手く説明出来ませんが、それぞれタイプを使ってみて、いろいろ感じてみてください。
ショート系。
ショート系のジグはセミロング系のジグより短く、平べったいタイプと比較的厚みがあるタイプがある。
一般にセミロング系のジグよりフォールスピードは遅く、特に平べったいタイプは沈むのに時間が掛かかりますが、そのぶん魚にアピールする時間も多くなり、特に根魚に有効だと爺は思います。
引き抵抗は若干大きく、スライド量も小さくなりますが、魚が食べているベイトが小さい場合は小さい場合は青物にも有効だと感じます。
厚みがあるタイプは、平べったいタイプの様に水平姿勢でフォールしながらブレーキが掛かったりするような激しい演出は出来ませんが、その分自分で動きを調整できるので、使っていて楽しいと爺は感じています。
爺は根魚狙いの時は平べったいタイプに出番が多く、根魚も青物もという時は厚みのあるジグのほうが使用頻度は高いです。
潮が速い場合には、フォールが遅い分出番は少なくなりますが、セミロングと同様に釣りに行く際は絶対にボックスから外せないのがショートジグです。
ロング系。
ロング系のジグには、大きなベイトを捕食している青物を狙う際に使用するジグというイメージですが、爺の住んでいる地方ではあまり出番が無いというのが本当のところです。
ブリなどを狙う際にもセミロング系で十分に釣れますし、青物系だけを狙うという事はしないので、ほとんど出番がありません。
以前はタックルボックスに1本は入れてあったのですが、今は青物のシーズンでも持って行かなくなりました。
以上、ジグの形状についてでしたが、セミロング系とショート系は準備したほうが良いですし、特にセミロング系は万能タイプなものが多いですので、絶対に準備して損はないジグだと思います。
ちなみに、これが爺が使用しているジグの一部です。
写真用に高価なジグをメインに紹介しています。
ジグの価格について。
ジグの価格についてはピンキリで、同じ150gほどのジグでも800円程度~3,000円位まであり、1個当たり2,000円以上の開きがあります。
高いジグが必ずしも釣れるわけではないですが、比べてみると引き抵抗が少ないのが分かりますし、釣っていて非常に楽であり、どのように動いているかが把握出来ますが、抵抗が大きいと疲れて釣に集中できないからなのか、その辺があいまいに感じます。
これは爺だけかもしれませんが。
しかし価格が価格だけに、全部のジグを高価なジグで揃えるのは大変ですので、こればっかりは各自で選択してください。
爺は高価なジグも何本か持っていますが、大半は安価~中間的な価格のジグとなっています。
爺の使い方としては、水深が浅い海域では深い場所に比べて引き抵抗がさほど気にならないので、安めのジグを使用するなどして、小遣いの少なさを克服?しています。
ここで安いながらもお勧めなジグを紹介します。
引き抵抗は大きいですが、40m前後の水深であれば問題なく使えるジグで、それはDaiwaの鏡牙ジグ-セミロングというものです。
カラーがPHシルバーとPHシルバーをオレンジのマニキュアでゼブラ模様に塗装したジグを使用していますが、PHシルバーでサクラマスや大きなヒラメ、そして自作オレンジゼブラは70cmを超える大きなヒラメと50cmオーバーのソイをかなりの数釣っていますので、下手くそな爺が使っても釣果が上がる何かがあるのだと思います。
それが何なのかは爺ではまだ分からないですが。
安いジグを、百均などでマニキュアや夜光塗料などを購入し、自分好みのカラーに塗装して釣りを楽しむのもありだと思います。
但し注意が必要で、おっさんが百均のマニキュア売り場でうろうろしていると、変なおじさんに見られる可能性があるので、皆さんご注意ください。
皆さんも安価なジグをカスタマイズして、是非一度使ってみてください。
高価なジグではなかなか出来ない事が、安価なジグに工夫を凝らし、自分なりのアイテムを作ることで楽しみが増えるんじゃないかと思います。
フックについて。
危うくフックの事を忘れるとこでした。
爺が使用しているフックですが、がまかつというメーカーから発売されている鎌鼬(かまいたち)というバーブレスフック(返しが無い)の、ロングとショートを使っています。
現在は新たに購入するものは鎌鼬100%です。
なぜバーブレスを使用しているかと言いますと、10年ほど前の話ですが、釣れた魚を取り込んでいた時にワラサが暴れてフックが手に刺さり、ひどい目にあったからです。
もしもそれが友人だったら大変だった、そう考えるとせっかくの楽しい釣りが台無しになるので、バレてもいいからバーブレスにしようと思ったのがきっかけです。
しかし、心配していたバラしに関しては何ら気にならず、明らかにバーブレスだからバレたという事は今までありません。 というか無いような気がします。
バレる時は何を使っていてもバレますからね。
大きなヒラメも、サクラマスもこのフックで釣り上げていますし、これからも爺はこのフックを使用し続けると思います。
皆さんも一度試しにこの鎌鼬を使用してみてください。
終わりに・・・。
最後に、しつこいようですがメタルジグの価格について、需要と供給のバランスから行くと、釣り人が増えると一般的には価格もさがるはずなのですが、いっこうに価格が下がらずかえって高くなっているように感じるのは爺だけでしょうか?
ジギングを始めるアングラーは増えているように感じているので、値段が下がってもいいような・・・。
新型コロナや、ロシアのウクライナ侵攻による影響が、巡り巡って釣りにも影響している可能性があるというか、間違いなく少なからず影響していると思います。
そんな中でも釣りを出来る我々は幸せなんだと改めて思いますし、釣りを出来る環境に感謝しないといけないなと思います。
ジグの価格の話から離れてしまいましたが、ジグの値段をかみさんは知りませんし、絶対に知られては困るんです。
1本2,000円なんて聞いたら絶対に「えっ? 2千円? 魚買ったほうが安上がりでしょ!」って言われるのは間違いないですので、絶対にそれだけは知られたくないし、知られてはならないのです。
これがバレたら死活問題です。
ここまでジグについていろいろ書いてきましたが、結局のところ自分で使って釣ってみて、そして自分の好みのジグを探すほかないという事になります。
タックルボックスの容量にも限界がありますので、全てのお気に入りのカラー、形状、重量のジグを持っていく事は無理でしょうから、各自悩みながらもジグを選択し悔いの無いよう釣りを楽しんでください。
「結局は自分でどうにかせい、っていう事か。」と言われてもしょうがないですけど、いろいろ試してみて、自分のメソッドを確立していくのが正解という事だと爺は思います。
「スロージギング、爺の私見。」は、今回で終了となりますが、書き忘れている事や新しい情報があれば随時更新していく予定ですので、よろしくお願いします。
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