前回は、保冷力アップのために100均グッズを使用してクーラーボックスを改造しました。
そして今回は、いよいよ本題である改造したクーラーボックスの保冷力がアップしているかどうかを検証していきます。
はたしてどのような結果になるのか、楽しみでもあり不安でもあります。
それではさっそく始めましょう。
ノーマル状態の保冷力検証
先ずは改造に先立ち、ノーマルの状態のクーラーボックスの保冷力を確認します。
前回の記事でもご紹介しましたが、今回使用している爺のクーラーボックスは Shimanoのスペーザライト35Lキャスター付き になります。
スペーザシリーズの中では一番保冷力が低いランクのクーラーボックスですが、それを改造して保冷力をアップ出来るかを検証するものです。
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保冷力の検証方法
・エアコンを付けない室温30℃前後の状態の部屋にクーラーボックスを置く。
・水を入れて凍らせた1Lのペットボトル2本をクーラーボックスに入れる。
・12時間後にクーラーボックスからペットボトルを取り出す。
・溶けた水をペットボトルから出す。
・残った氷の重さを測定。
以上の測定を、ノーマルの状態と改造後のクーラーボックスで行います。
残った氷の重量が重いほうが保冷力が高いという事ですが、仮に改造したほうが残った氷が少なくなった場合は、改造が大失敗という事になります。
12時間としたのは、仕事に出掛ける前に開始し、仕事が終わって帰宅すればだいたい12時間かなという事でこの時間にしました。
また、早朝に釣りに出掛け、釣った魚をクーラーに入れて自宅に帰るとなると12時間程度かなと思いこの時間にしました。
本来は屋外の日光が当るところで検証したいところでしたが、条件が違ってくると比較にならないので、条件を揃えやすい屋内での検証としました。
爺が使用しているクーラーボックス
ノーマル状態の保冷力検証スタート
それでは検証していきます。
クーラーボックスと温度計を用意します。
予冷などは一切していませんし、エアコンを消した部屋に1時間ほど放置した状態で検証開始です。
検証開始時の室温はこの時で29℃でした。
日中はもう少し上がると思いますが、誰もいないのでわかりません。
本来は同じ条件になるようにある程度見張っていなければならないとは思いますが、その辺は勘弁して下さい。
なお、最低限の条件を合わせるため、直射日光が当たらない場所に置いて検証します。
1Lのペットボトルに水を入れて凍らせたものを2本入れて検証です。
これは炭酸水が入っていた硬めのペットボトルです。
柔らかいペットボトルは変形したり壊れたりするので注意して下さい。
これがペットボトルを入れた状態です。
蓋をロックし12時間放置し、氷がどれくらい残っているか確認します。
12時間経過
12時間が経過したので蓋を開けます。
蓋を開けた瞬間、冷気が広がり気持ちよかったです。
ペットボトルの氷は残っているみたいです。
見た感じでは半分程度氷が残っているように見えます。
ペットボトル内の溶けた水を排出します。
1本目のペットボトルに残った氷の量を測定します。
1本目のペットボトルは、
残重量W=599.0g です。
1Lのペットボトルですので、半分以上残っていることになります。
2本目のペットボトルの測定します。
2本目のペットボトルは、
残重量W=604.5g です。
1本目との差は5.5gですので、ほぼ同じと言っていいと思います。
ノーマルの状態でこのくらいの保冷力があれば、オフショアフィッシングに行っても新鮮な状態で魚を持ち帰ることが可能だと思いますし、キャンプに行っても冷えたビールを美味しく飲むことが出来ると思います。
キャンプ用クーラーボックス
改造後の保冷力の検証
それではメインの改造後の保冷力を検証していきましょう。
検証方法
検証方法はノーマル状態の保冷力の検証と全く同じです。
改造後の保冷力検証スタート
先ずは室温30℃前後の部屋に1時間ほど放置しておきます。
1時間放置したクーラーボックスに、1Lのペットボトルに水を入れて凍らせたものを中に入れます。
蓋を締めて4か所をロックします。
温度計のアップを撮るのを忘れてしまい、申し訳ないです。
検証開始時の室温が30℃で、前回より1℃高くなっていました。
前回の検証時と同じで、エアコンを消した室内の、直射日光が当たらない箇所へ置いて、12時間放置します。
この日も前回同様、晴天で最高気温が30℃を超える予報だったので、クーラーボックスを置いた部屋の温度は40℃以上にもなっているのではないでしょうか。
釣り&キャンプ用クーラーボックス
12時間経過
12時間が経過したので蓋を開けます。
前回と同様に、ペットボトルの中には氷が結構残っているようです。
少しは安心しました。
2本とも確かに氷は残っていますが、見た感じは前回と同じような感じでしょうか。
何か微妙だなー・・・。
ペットボトルの中の氷が溶けた水を排出し、残った氷の重量を測定します。
1本目は、
残重量W=642.5g でした。
前回より残っていたので少しほっとしました。
2本目も同じように測定します。
2本目は、
残重量W=655.0g でした。
2本目も前回より残っていたので安心しました。
以上がクーラーボックス改造後の検証結果でした。
そして、これが改造前と改造後の比較表になります。
項 目 | クーラーボックス改造前 | クーラーボックス改造後 | 差 | ||||||||
氷の残重量(1本目) | 599.0g | 642.5g | 43.5g | ||||||||
氷の残重量(2本目) | 604.5g | 655.0g | 50.5g | ||||||||
合 計 | 1,203.5g | 1,297.5g | 94.0g | ||||||||
残存率 | 60.20% | 64.90% |
氷が 94g(94cc)、約コップ半分多く残ったという事になりましたが、保冷力がどのくらいアップしたのかこの数値では判断が付きません。
クーラーボックスではこのくらいの保冷力の差が数千円の価格の差になるのかもしれませんね。
また、スペーザライト35Lがスペーザベイシス35L並みに保冷力がアップしたのか、それともリミテッドと同等の保冷力にアップしたのか比べようもありません。
しかし、確実に保冷力がアップしたのは間違いないし、数百円でこれが出来たというのは、コスパ最強で超簡単な保冷力アップ方法ではないでしょうか。
こうなると、いつかはスペーザベイシスやリミテッドと保冷力を比べてみたいですね。
キャンプ用クーラーボックス
おまけの改造
おまけとして、かみさんが乗っている車に積んであるクーラーボックスもついでに改造してみました。
このクーラーボックスは、以前親戚が急遽クーラーボックスが必要になり、ホームセンターで買ったそうだが、その後使う事も無くなったので「使わないから貰ってくれないか?」とかみさんが頂いてきたものです。
価格は「3千円~4千円?」位だったらしいが、詳しいことは分からない。
しかし、車に積んでいると何かと便利で重宝しているのだが、これを機に改造してみる事にした。
ホームセンターのクーラーボックス改造
これがそのクーラーボックスです。
ホームセンターで見掛けたことがある方も多いのではないでしょうか?
断熱材入ってるの?と言うくらい軽いのですが、女性でも扱いやすくて便利です。
大きさは35Lですので、爺が使っているShimanoのスペーザライト35Lと同じ大きさなので、改造が終わったら保冷力を検証して比べてみます。
これがクーラーボックスの本体を解体し、アルミテープを貼って改造した写真です。
上:外枠
中:内枠
下:断熱材
解体するのも簡単で、本体はボルトを一切使っていないため、こじ開けるためのマイナスドライバーが2本あれば簡単に解体出来ます。
前回の残ったアルミテープだけでは足りないので、キッチン用のアルミ箔も使って改造しています。
と言うか、ほとんどアルミ箔のようなものです。
アルミ箔は初めて使いましたが、意外に良さそうな感じがしましたので、もしもアルミテープが足りなかったときは代用できると思います。
これが蓋を解体して改造した写真です。
構造が簡単なので楽でした。
ボルトで固定されているのは蓋の中央部の4か所だけですので、非常に簡単な構造です。
これを改造した結果が、スペーザライト改造版より保冷力があったら驚きですね。
というか、驚きと言うよりショックで動けなくなるかもしれません。
釣り&キャンプ用クーラーボックス
改造後の保冷力検証
それではホームセンターのクーラーボックス改造後の保冷力の検証を行っていきます。
検証方法は今までと全く同じです。
水を入れて凍らせた1Lのペットボトル2本を、クーラーボックスに入れて12時間放置です。
スタート時の室温は計っていませんが、前回、前々回に比べると涼しく、だいたい25~26℃だと思います。
日中の予想最高気温は33℃となっていますので、それについては前回、前々回と同じような条件になりますし、全体的な検証条件はそれほど差が無いと思います。
12時間経過
12時間が経過したので、ペットボトルを取り出します。
取り出したペットボトルには氷が残っているみたいです。
見た感じは以前の検証とそう変わらないような感じがします。
ここで気付いたのですが、クーラーボックスの外側の下部と底部が結露していました。
スペーザライトには無かった事なので、少々驚きです。
やはり断熱性能の差ですかね?
結露したのを見るのは初めてですし、全く予想もしていませんでした。
クーラーボックスもこうなるんですね。
それでは1本目のペットボトルを測定します。
1本目のペットボトル
残重量W=585.5g
結構氷が残っています。
2本目のペットボトルを測定。
2本目のペットボトル
残重量W=579.0g
これも結構氷が残っていました。
以上の結果となりました。
大人数のキャンプに使えるクーラーボックス
検証結果のまとめ
項 目 | スペーザライト改造前 | スペーザライト改造後 | ホームセンターのクーラー改造後 | ||||||||
氷の残重量(1本目) | 599.0g | 642.5g | 585.5g | ||||||||
氷の残重量(2本目) | 604.5g | 655.0g | 579.0g | ||||||||
合 計 | 1,203.5g | 1,297.5g | 1,164.5g | ||||||||
残存率 | 60.2% | 64.9% | 58.2% |
ホームセンターのクーラーボックス改造後の氷の残重量は、スペーザライトの改造前の残重量より「39g」少ないだけと言う結果になりました。
ホームセンターのクーラーは改造する前の保冷力を検証していませんので、どのくらい保冷力がアップしていたのか不明ですが、立派な結果だと思いますし、改造は成功していると言っていいでしょう。
また、アルミテープが無くなって、急きょアルミ箔を使ったのですが、これが全てアルミテープで改造していればもう少し保冷力がアップし、スペーザライトのノーマルと変わらない結果だったかもしれませんし、結露も防げたかもしれませんね。
スペーザライトとホームセンターのクーラーボックスの実売価格の差は、約16,000円の差になりますが、値段の差ほど保冷力の差は無いという事になると思います。
水抜き栓が付いていなかったり、蓋に座れないなの制約があり、釣りには少し厳しいかなと思いますが、デイキャンプや1泊のキャンプには問題無く使えそうだという事が分かったのではないでしょうか。
どうしても見た目が安っぽくなってしまいますが、シールなどを貼って個性を出せば、それなりにかっこよくなると思いますので、使い方を工夫すればコスパ最強のクーラーボックスになりうるという事です。
この結果を見て、皆さんはどう思うかですね。
すでにスペーザライトを持っている爺にとっては、この結果は少々悔しく感じていますし、もう少しスペーザライトの保冷力を上げないと納得いかないです。
ですので、時間がある時に再度保冷力アップのための改造をやり直そうと考えています。
デカい魚をそのまま入れれるクーラーボックス
おわりに
今回は、クーラーボックスの保冷力アップのための改造が、どのくらい効果があったのかを検証したものでしたが、いかがでしたか?
100円ショップのアルミテープを貼っただけで、確実に保冷力がアップするという事が確認できた検証でもありましたし、さらに細かい箇所にもアルミテープを貼る事でまだまだ保冷力をアップ出来るのではないかと思います。
また、ホームセンターで売られている数千円の安価なクーラーボックスを改造したものが、2万円を超えるクーラーボックスとさほど差が無い保冷力となった事は驚きでもありました。
側面や底部が結露していましたが、もう少し改造する事でそれも防げるのではないかと考えています。
強度的に不安があり、また水抜き栓が無いなどの問題がありますが、十分に使えるクーラーボックスだという事がわかった検証でもありました。
高価ではあるが確実な保冷力と安心の強度や機能を優先するか、また、安価なクーラーを改造して保冷力を上げて使うかなど、各自の使い方などを十分に考えて選択する事をお勧めします。
空き時間を利用してさらなる保冷力アップのための改造を行う予定ですので、再度検証して記事に出来ればと考えていますのでお楽しみに。
皆さんが現在使っているクーラーボックスも、改造する事によって保冷力のアップが期待できますので、試してみてはいかがですか?
それではまた。
小物釣りやソロキャンプに最適
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