孫の参観日に行ったら、保育園がジュラシックパークになっていた。

孫と日常
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 先日、孫が通う保育園の参観日だった。

 1カ月ほど前に子供から電話があり、「なかなか見れないと思うから、2人で行ってきたら?」と言う事だった。

 親は年に2回ほどそういう機会があって見ていると言うが、親やお爺ちゃんお婆ちゃんなど、1人(兄弟)の園児につき2人までは事前に申請すれば家族なら誰でも園内に入って普段の孫達の様子を見れるというものだった。

 かみさんと話をして、せっかくのチャンスだからという事で行ってみる事にした。

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ジュラシックパーク

 参観は9時30分からで、11時30分まで孫の普段の様子を見たり、一緒に遊んだりするというものであった。

 何度か孫達を迎えに行ったことがあるが、中に入るのは初めてだった。

 玄関に入ると子供たちの元気な声が聞こえた。

 受付を済ませ先生に案内されて教室に入ると、そこは動物園なんてもんじゃなく、ジュラシックパークだった。

 草食恐竜や肉食恐竜がウジャウジャいて、自分の孫を見つける事すら出来ない。

 園児がそれぞれ大声で話していたり何かを叫んでいるが、いったい何を言っているのか全く分からない。

 爺とお婆ちゃんは子供たちに圧倒されて立ちすくんでいたが、周りを見ると他の爺ちゃん婆ちゃんもあっけにとられているようだ。

 園児の数が比較的多い保育園だというのは聞いていたし、運動会の時も人数が多いなと思ってはいたが、屋内で放し飼いするとこんな感じになるんだ・・・。

 そして気付いた事があり、爺の小さいころと比べると鼻水が垂れている子がいないのは何故なんだろう?

 爺が小さい頃は「それじゃ鼻で呼吸できないだろう」ってくらい鼻水を垂らしている子供ばかりだったような気がするが・・・。

 少しすると孫1号と2号がこちらに気付いて迎えに来てくれた。

<strong>爺</strong>

いつもこんな感じで賑やかなの?

<strong>孫1号</strong>
孫1号

そうだよ!

 孫といろいろ話をしていると、先生たちが前に並び、「おはようございまーす!」というと、子供たちも「おはようございまーす!」と挨拶をし、その本日の参観日の説明を始めた。

 しかし先生は凄いもので、あんなに騒いでいた子供たちが先生の言う事をちゃんと聞いているのである。

 言い方は悪いが、まるで猛獣使いや調教師、映画「ジュラシックワールド」でヴェロキラプトルを調教しているオーウェンのようだ。

 いつもは年齢分けされたクラスごとに授業?のような事をしているのだろうが、今回は4歳以上と3歳以下に分けて行い、親や祖父母と一緒に授業?を受けるというものだった。

 説明が終わり、さっそく今日の授業の始まりである。 

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虫刺され

 先ずは参観日に来た父兄や祖父母に向けて自己紹介をするみたいだ。

 子供たちはそれぞれに名前、年齢、自分の好きなことなどを発表していった。

 大きな声で話す子や小さな声で話す子など、個性は様々だし皆可愛い。

 そしていよいよ爺の孫二人の番だ。

<strong>孫1号</strong>
孫1号

〇〇〇〇です。

6歳です。

好きな事はカブト虫の飼育です!

<strong>爺</strong>

さすがに6歳ともなればはきはきと
話せるし、成長しているな。

 問題は2号のほうだ。

<strong>孫2号</strong>
孫2号

〇〇〇〇です。3歳です。

好きな事は虫刺されです!

<strong>爺</strong>

はあ・・・・?

思わず声が出てしまった。

 周りの大人は失笑し園児たちも笑っていたが、今年4歳になる2号は、

<strong>孫2号</strong>
孫2号

えっ?
何か変な事でも言った?

 自分が言ったことが変だとは全く思っていないらしい。

<strong>爺</strong>

あのバカ、やっちまったよ。
何かやらかしそうな気がしたが、
いきなりかよ・・・。

 後で親から聞いたら、その日の朝に蚊に刺されて足をかゆがっていたらしく、「虫に刺されたー!」と言って騒いでいたらしく、孫1号と一緒にカブト虫を飼育しているが、同じような事を言おうとして思わず「虫刺され!」と言ってしまったのかもしれない、との事だった。

<strong>爺</strong>

いったい誰の孫だ?

俺か。

はーい!はーい!

 次の授業は先生が簡単な問題を出し、答えが解ったら手を上げて答えるというものであった。

 さっそく先生が簡単な問題を出し、園児が「はーい!はーい!・・・。」と手を挙げて次々と答えていく。

<strong>先生</strong>
先生

はい、次の問題でーす。
この中に〇〇は何個あるでしょう?

 先生がいつも使っているパネルを出して問題を出した。

 園児が一斉に手を挙げる中、爺の孫達も張り切って手を挙げていた。

<strong>爺</strong>

おーっ、2人とも手を挙げている。
1号はわかるが、2号は大丈夫か・・・?

<strong>孫2号</strong>
孫2号

はーい!はーい!はーい!

<strong>先生</strong>
先生

凄いなー、みんな解るんだ。
誰がいいかなー・・・
じゃあ○○君!

 と言って孫2号を指名した。 

<strong>爺</strong>

おいおい、大丈夫か?

 すると・・・。

<strong>孫2号</strong>
孫2号

えっ?・・・ぼく?

<strong>爺</strong>

はあ?

手を挙げてただろう、何で?

 勢いで手を挙げただけのようだ。

 周りの大人や先生は大爆笑していて、それに釣られるように園児たちも笑っている。

 まるでドリフターズの学校のコントを見ているようだ。

<strong>爺</strong>

またかよ・・・。
こんな事だろうとは思っていたけど・・・。

<strong>先生</strong>
先生

○○君、ちゃんと問題を聞いて無かったなー!
ハイ、じゃあこの問題解るかた!
それじゃあ○○さん。

 何事も無かったように授業は続き、その後自由時間となった。

 自由時間になったところで孫1号に、

<strong>爺</strong>

2号はいつもはどうなの?

<strong>孫1号</strong>
孫1号

いつもあんな感じだよ。先生の話を全然聞いてないのに
手を挙げてる。

ふざけてばかりで先生にいつも怒られてる。

<strong>お婆ちゃん</strong>
お婆ちゃん

いったい誰に似たんだか・・・。

<strong>爺</strong>

はあ? 俺?

孫1号は三角関係?

 自由時間は孫二人と園庭で遊ぶことにした。

 1号と縄跳びや鉄棒をして遊んでいたら女の子二人が爺の所に来て、

<strong>女の子A</strong>
女の子A

〇〇君のお爺ちゃん?
私〇〇っていうの。

<strong>女の子B</strong>
女の子B

私は〇〇、よろしくね。

<strong>爺</strong>

こんにちは、よろしくね。
(一体何なんだこの子たちは)

 すると1号がやって来て、耳元で

<strong>孫1号</strong>
孫1号

爺、あっち行こう。

あの二人、うるさくて嫌なんだよ。

 という事で、少し離れたところへ移動して話を聞いてみた。

 すると、女の子二人が1号の事が好きで毎日のように告白してきたりプレゼントを持ってきたり、挙句の果てには取り合いになって喧嘩になるらしい。

 1号は恋愛というものにはまだ興味が無いらしく、皆で遊んでいる方が楽しいという事だった。

 女の子二人が爺に話しかけてきたのも、1号の家族に気に入られようとしていて、いわゆる忖度というものみたいだが、幼いとはいえ女は女、ということか・・・。

 幼いうちは女の子の方がませていると言うが、まさかここまでとは思わなかった。

<strong>爺</strong>

〇〇も大変だな。

でも、今が人生で一番のモテ期かもよ。

後で後悔したりして。

<strong>孫1号</strong>
孫1号

モテ期って何?

<strong>お婆ちゃん</strong>
お婆ちゃん

このばか爺!
余計な事教えないで!

 爺にはこんなモテ期があっただろうか? 
 せっかく女の子が寄ってきているのに、もったいないな~。
 何ともうらやましい限りだ。

おわりに

 今回は孫の参観日の出来事についてでしたが、いかがでしたか?

 相変わらず孫2号はやらかしてくれるし、次は何をやらかすのか密かに楽しみでもあるが、このままの状態で大きくなってしまうのも心配だ。

 1号もまだやんちゃなところがあるが、以前かにべるとだいぶ大人になった姿が見れたし、来年小学校に入るので保育園の最後の参観日に参加できてよかった。

 それと、毎回見て思うのだが、遊んでいる時の子供たちの目は本当に輝いてて奇麗だと思いませんか?

 大きくなるに従い、勉強に追われ受験がどうとか、偏差値がどうとか言われるようになると、その美しい目もうつむき加減になり・・・。

 いつまでも今の純粋な気持ちと目の輝きを無くさないで欲しいものですし、そのためには私達大人がちゃんと見守ってやらなきゃダメですね。

 それと、先生方のご苦労は私たちの想像を超えるものだと思いますし、本当に大変なお仕事だと思います。

 先生たちのおかげで子供を預けて仕事に行けるわけですから、本当に感謝です。

 これからもよろしくお願いします。

 それではまた。

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